平成20年10月20日10時30分から(第一会議室)
本日は3点、お話をさせていただきます。
1点目は、ノーベル賞受賞者に対する学術表彰についてです。
今月7日、8日の両日にわたり、名古屋ゆかりの3人の方が、相次いでノーベル賞を受賞されるという快挙がありました。益川先生、小林先生、下村先生の3先生の栄誉を称え、名古屋市学術表彰を授与させていただくことを決めました。
ノーベル物理学賞を受賞された益川先生、小林先生の両先生は、ともに名古屋で生まれ育ち、名古屋で学んだ、生粋の名古屋っ子です。
一方、ノーベル化学賞を受賞された下村先生も、「かつて研究生として名古屋大学で学んだ経験が、自分の研究のバックグラウンドである」とおっしゃっておられたのを報道で拝見しました。
いずれの方も、名古屋で積み重ねられた研究の成果が、今回の受賞につながったものです。これは、市民の皆様の大きな誇りであると同時に、子どもたちに夢を与え、名古屋で学ぶ学生や研究者たちにも大きな励みになることだと思います。
具体的な表彰の日時などは、12月10日のノーベル賞授賞式以降で考えていますが、海外在住の方も見えますので、ご本人ともよく相談の上、改めて発表したいと思っています。
この3先生には、学術表彰の受賞について快く受諾をしていただいたものです。
2点目は、オレンジリボンキャンペーン2008についてです。
オレンジリボンキャンペーンは、国が「児童虐待防止推進月間」と定めている毎年11月を中心に、子どもの虐待防止に対する社会的な関心を高めるとともに、そのシンボルでもある「オレンジリボン」の普及を図るものです。
本市では、平成13年度から17年度にかけ、6人の尊い命が、児童虐待により失われました。連続5年、児童が虐待死するということがありました。
その反省を踏まえ、平成17年度に、子どもに対する危険度・緊急度を客観的に判断するための基準を見直しました。
この基準に基づいて一時保護を行ったケースのうち、危険度・緊急度の度合いが5段階のうち1、2番目に高い「レベル4」と「レベル3」に該当するものは、平成18年度は64件、19年度は40件と、幸いに減少してきています。また、子どもが亡くなるという最悪の事態は、発生していませんが、今後とも、子どもの命を守ることを最優先として、迅速かつ的確な対応をとっていく必要があると考えているところです。
17年度に児童相談に関する組織を強化、対応し、その後幸いにして死亡事故が起きていないという状況です。
昨年度1年間に児童相談所が対応した事案を見てみますと、ご近所や知人の方からの情報が最も多く、全854件中、157件と、全体の2割弱となっています。
こういったことからも、児童虐待に対する社会的な関心を高めて、社会全体で子どもを見守り、問題を早期のうちに発見、対応することが大変重要であると考えています。
本市は、昨年度から、オレンジリボンキャンペーンに参加していますが、本年度は、民間企業やNPOの皆様との連携をさらに深めて、キャンペーン活動を展開していくこととしました。
今月27日(月曜日)から11月4日(火曜日)までの9日間、名鉄百貨店のご協力により、ナナちゃん人形がオレンジリボンを着用してPRをいたします。
また、名鉄タクシーには、市内を走っているタクシー約1,000台に、11月の1ヵ月間、啓発用のステッカーを掲出していただきます。
Jリーグの名古屋グランパスエイトの皆さん方には、昨年度に続いてご協力をいただき、選手たちから市民へのメッセージを寄せ書きしたオレンジリボンの旗を作成するほか、11月30日(日曜日)の瑞穂陸上競技場での試合時に、オーロラビジョンで啓発のCMを放映します。
「子どもを大切に」という、みんなの共通の願いが、多くの方に伝わればよいと考えています。
3点目は、私の海外出張についてです。
今月31日(金曜日)から来月6日(木曜日)までの1週間、海外出張をいたします。
今年が友好都市提携30周年の節目の年となる南京市では、南京市人民政府を表敬訪問します。名古屋市と南京市の間では、ジュニアスポーツ交流や図書館の資料交換を毎年度、行っていますが、この機に両市の友好をさらに深めてきたいと思っています。
また、南京市民の皆様に、より名古屋を知っていただき、名古屋を訪れていただくために、名古屋の文化、観光、名所などをPRするイベント「名古屋デー」を実施します。名古屋観光コンベンションビューローが中心となって、南京の旅行社を対象とした観光説明会もあわせて開催します。
そのほか、大連市(だいれんし)と瀋陽市(しんようし)でも用務を予定しています。大連市では、大連市人民政府を表敬訪問し、大連市も本市も共に力を入れている、都市における環境対策について意見交換を行ってきます。瀋陽市では、東北大学を訪ね、学生さんたちに向けて名古屋をPRする講演をする予定です。
具体的には、留学先として名古屋を選んでいただくように、名古屋は留学生にとって魅力ある所であるといったこと等をPRしてきたいと思っています。
報告は以上ですが、あと少し、お話しさせていただきます。
名古屋タイムズさんが、今月末をもって休刊されるとうかがいました。政治・経済から芸能関係にいたるまで、特に文化の面に関し、時にはシリアスに、時には軽妙に提供してこられた名古屋タイムズさんは、市政記者クラブの加盟各社の中でも、ユニークな存在だったと思っています。文化関係の記事は、大変層の厚いものだったと私自身思っています。
私の定例記者会見としては、本日が最後になろうかと思います。長年にわたり、本市市政について報道していただいたことに対し、この場を借りて、改めてお礼を申し上げます。ありがとうございました。
私からは以上です。
名古屋市:平成20年10月20日 市長定例記者会見(市長の部屋)
http://www.city.nagoya.jp/mayor/kaiken/h20/nagoya00060898.html