2009/7月30日 中日新聞(サイト上)に記事が掲載されていました。
-----
以下本文
-----
東海道沿いの古い町並みが残る名古屋市緑区有松地区で江戸時代末期の町家が取り壊しの危機にある問題で、市や市民団体が進める保存運動が難航している。貸店舗としての活用の道を探るもののテナントは見つからないうえ、修復には当初予想していた約6000万円を大幅に上回る1億円近くかかることが分かったためだ。
町家は有松絞の開祖・竹田庄九郎の一族が建てた木造2階建て。今月初旬に地元の「有松まちづくりの会」が河村たかし市長に保存を訴え、同会と市、所有者がテナント利用を募るなど活用策を模索している。
市文化財保護室によると、当初は所有者が約4000万円を負担し、市が補助金500万円を充て、同会も募金で1500万円を集めようと動いていた。だが、市が第三者の専門家に調査を依頼すると、柱が白アリに食われていたり、土台が沈み込んでいたりと予想以上の老朽化が判明。総工費9000万~1億円がかかると試算された。
25日だった取り壊しの最終期限は所有者の協力で延ばしたものの、「何とか少しでも早く事業計画を立てなければならない。ただ、市が新たに4000万円を負担する枠組みはない」と担当者。これまでに飲食店など約20社がテナント入居を問い合わせたが「芳しい結果は得られていない」と漏らす。
有松まちづくりの会の永井鎮副会長は「とにかく、建物すべてがなくなる事態は回避したい。修復費を縮減させる別の方法はないのか、あきらめず努力したい」と力を込める。
30日夜に緊急集会を開いて今後の対応を話し合うという。
中日新聞:有松の町家、保存ピンチ修復に1億円:社会(CHUNICHI Web)
http://www.chunichi.co.jp/article/national/news/CK2009073002000275.html