愛知県豊根村の地域おこし協力隊員が中心となり、奥三河特産のトマトを使ったジャムを開発した。名古屋市緑区の手作りジャム専門店「デュ・ラ・コンフィチュール ジャミティエ」の協力を得て、熟した赤いトマトだけじゃなく、早摘みした青いトマトも使い、トマトの魅力をジャムに詰め込んだ。200セットの限定。2日から通信販売を始めた。
赤いトマトのジャムは、見た目は定番のイチゴジャムに近い。パンに塗って口に入れると、爽やかな酸味が口の中に広がる。一方、青いトマトのジャムは色も鮮やかで甘さもあるが、風味豊かでさっぱりとした後味が特徴だ。
開発に携わったのは、地域おこし協力隊の竹本あゆみさん(38)と長田直之さん(37)。協力隊員として遊休農地の再生や高原野菜の生産、販売などに取り組む傍ら、地域を元気にする特産品の開発にも乗り出した。女性を中心に野菜を使ったスイーツに人気が集まっていることもあり、2人が注目したのが、奥三河で栽培されているトマトだった。
赤く熟したトマトと、熟す前の青いトマトを使って、見た目や味に違いを出すことに。保存料や添加物は使わず、種を残して、手作り感を意識したという。
知立市出身の竹本さんは「山里で暮らしてみたい」という動機で、4月に協力隊員として着任した。農作業や商品開発の経験はないが、「消費者の目線で作りたい」と意気込む。
長田さんは、9月に名古屋市熱田区から移り住んだ。車の設計の仕事を辞め、「農業に携わりたい」と応募。将来は豊根村に定住し、起業を目指す。
トマトジャムは、赤と青、赤いトマトにオレンジを入れたフルーツミックスの3種類。1本100グラムで3本入りが1800円(100セット)、赤と青の2本入りが1200円(同)。電話やファクス、電子メールで注文を受け付けて通信販売するほか、同村地域づくり推進室でも購入できる。
竹本さんは「ちょっとぜいたくなジャムですが、大切な人への贈り物や自分へのご褒美として食べてほしい」とPR。来年は2人が栽培したトマトでジャムをつくり、村内の温泉や道の駅、観光施設などでも販売していきたという。
問い合わせは、同推進室(0536・85・1311)。(松永佳伸)
奥三河生まれのトマトジャム、風味ぎっしり:朝日新聞デジタル
http://www.asahi.com/articles/CMTW1312042400004.html