稲沢市の稲沢高校園芸科の生徒八人が、大正時代にできた地元の伝統野菜「治郎丸ホウレンソウ」の歴史と、栽培の復活を目指している同校の取り組みを紹介する漫画を作った。タイトルは「稲沢市の宝物~治郎丸ホウレンソウ~」。多くの人に知ってもらおうと、十六日以降、市内のイベントや公共施設で配布していく。
同校では、治郎丸ホウレンソウを四年前から農場で生産。病気に負けない栽培方法を研究するとともに、周辺の菓子店と協力してケーキの材料にするなど、普及も目指している。
漫画は十三コマでA3判一枚の両面に印刷し、二百部作った。一九二四(大正十三)年ごろ、地元の青年が西洋種と東洋種の自然交雑で治郎丸ホウレンソウを開発し、量産してきた経緯などを簡単にまとめた。最後に生徒たちがホウレンソウを守っていくことを誓うという筋書きだ。
主に絵を描いた一年の永井望未さん(15)は「大正時代の人の着物など、歴史を感じさせるように工夫した」。二年でグループのリーダー佐藤凪彩さん(16)は「地域の大切な野菜なので、漫画を通して普及につながれば」と話す。
漫画は商業施設「リーフウォーク稲沢」(同市長野)の隣のアピタ稲沢東店で十六日に開かれる食育のイベントで配られ、ホウレンソウの販売やおひたしの試食も予定されている。
また、十四日の学校祭で園芸科の生徒は、名古屋市緑区の料理教室「マダムアリス」で考案したパウンドケーキを百円で販売。治郎丸ホウレンソウのペーストや細かく切った根が入っている。ホウレンソウを材料にした稲沢市内のケーキ店のプリンやロールケーキなども並べる。
伝統野菜「治郎丸ホウレンソウ」の歴史を漫画に 稲沢高生:愛知:中日新聞(CHUNICHI Web)
http://www.chunichi.co.jp/article/aichi/20141113/CK2014111302000056.html