日本の文化や技術が再評価されている中、日本の伝統工芸品や和を感じる商品を百貨店などで見かける機会も増えてきました。でもそういった流れが始まる前から日本を飛び出して世界に進出し、高く評価されているブランドがあります。

「Suzusan」は、愛知県名古屋市有松の伝統技術である「絞り」のブランドで、ストールやニット製品、照明などを職人の手で作っています。その手仕事の美しさは、ファッションブログ「Style Bubble」でも大きく取り上げられていました。

「Suzusan」の商品はパリのL'eclaireurや、ミラノのBiffiといった世界18ヵ国の有名店で取り扱われていて、2013年には「クリスチャン・ディオール」のオートクチュールコレクションに絞り生地を提供し話題となりました。

「Suzusan」を立ち上げたのは、絞り技術を代々受け継いできた村瀬家の五代目、デザイナーの村瀬弘行さんです。絞りの家に生まれながらも、当初はアーティストを志して海外に留学していたそうです。

しかし、日本から距離をおいて初めて自らの家や地域に伝わるものの貴重さに気づき、またそれが衰退しつつある現状に危機感を感じたそう。そして2008年の在学中にデュッセルドルフで「suzusan e.K.」を設立しました。それまで村瀬家の「鈴三商店」は製造の下請けがメインでしたが、オリジナルブランドとして「Suzusan」を立ち上げたのです。

そんな「Suzusan」のストールやニットは「日本の伝統技法を用いながら世界中のライフスタイルに合う商品を」というコンセプトにふさわしく、現代の服装にしっくり来る風合いや色使いです。

和の要素を取り入れたアパレルというと、ほっこりとして実際身に着けると老けた印象になるものもありますが「Suzusan」の商品はモダンなテイスト。それでいて絞り本来の細やかさ、ひとつひとつ丁寧に作られた温かみが感じられ、ほど良いアクセントになっています。

これまで日本では、伊勢丹や代官山のセレクトショップ、リフト・エクリュで取り扱われてきた「Suzusan」ですが、今後触れられる機会が増えていく予定です。まず2月17日(火)から3月1日(日)まで、西麻布の「ギャラリー ル・ベイン」で展覧会「suzusanと村瀬弘行の、色と布」が開催されます。展示だけでなく、ストールなどの購入も可能です。

また3月には伊勢丹新宿店での展開がより大きく広がり、日本ブランドとして初めてインターナショナルラグジュアリーフロアでの取り扱いがスタートします。こちらでは、最高級の綿を使ったレディースのカットソーやストールなどがラインナップ。

また、リビングフロアでは春夏限定のストールや照明も取り扱われるようになります。春に向けて軽い巻き物は重宝するし、パリやミラノで好評のストールをぜひ手にとってみたいものです。

また単にファッションとしてだけでなく、自らの価値を客観的に見つめ直し、そのうえで日本ではなく世界へと打って出た「Suzusan」の姿勢に勇気づけられます。フィレンツェの「Pitti」やパリの「Tranoi」「Maison&Objet」といったヨーロッパの主要な展示会にも定期的に出展し、注目度を高めています。

企業のあり方という意味でも、キャリア形成という意味でも、ひとつのお手本になりそうです。

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「suzusanと村瀬弘行の、色と布」
開催期間:2月17日(火)?3月1日(日)
開催場所:ギャラリー ル・ベイン
所在地:東京都港区西麻布3-16-28
営業時間:11:00?19:00 ※最終日は16:00まで
入場料:無料
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ディオールのコレクションにも登場。海外で絶賛の「絞り」ブランド - キャリア女性に役立つサイト|cafeglobe
http://www.cafeglobe.com/2015/02/044352suzusan.html

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