銭湯好きの女性たちが集まった「名古屋銭湯女子部」が、銭湯めぐりの様子などを報告したブログ「銭湯配置につけ!」が人気を集めている。あす26日は「いい風呂の日」。ひとっ風呂浴びて、体も心もポカポカになるのはいかが?
女子部が結成されたのは約3年前。愛知県知多市の会社員吉川仁美さん(37)が、インターネットでたまたま名古屋市内のレトロな銭湯を見つけ、訪れたがすでに廃業していた。もともと歴史好きの神社仏閣好き。「もっと早く見つけていれば良かった」という思いから銭湯めぐりを始め、ネットで銭湯好きな女性たちと情報交換するうちに輪が広がったという。
現在、中心メンバーは20~60代の10人ほど。職業は会社員や主婦など幅広い。男性もいるが、女性に魅力を伝えたいと「女子部」の名前にこだわっている。
2010年11月に開設されたブログ(
http://blogs.yahoo.co.jp/nao104to3ko)は、「レトロ度」を5段階評価し、寸評を加えている。全国の銭湯をツアーした報告や銭湯関連のイベント情報、テレビ番組の紹介など盛りだくさん。アクセスは12万回を超えた。読者からは入部希望や銭湯に関する情報が次々と寄せられている。
23日夕、ブログを見て初めて参加した「新人」を含め、10人が名古屋市緑区有松の「東湯(あずま・ゆ)」に集まった。旧東海道沿いの古い町並みの中に、にょっきり煙突が伸びる東湯は、83歳のご主人が1人で切り盛りしている。脱衣所の木製ロッカーや、水色のタイルが敷き詰められた浴槽は、昭和レトロを感じさせる。
「かんぱーい」。銭湯談議に花を咲かせながら、風呂上がりにラムネを飲み干した吉川さんは「古き良き銭湯で、火照った体に冷たい一杯。最高です」と笑顔を浮かべた。
愛知県公衆浴場業生活衛生同業組合によると、県内には1968年に約800軒の銭湯があったが、10月末現在では124軒まで減った。郊外型の温泉施設が流行する一方、経営難や後継者不足で廃業するケースが後を絶たない。
こうした背景に発信力の弱さを感じるという吉川さんは「代わりにというのもおこがましいのですが::。常連さんは親切で、話をすれば身も心もほっこり。子どもはマナーの大切さを学ぶことができる。こんな銭湯の魅力をたくさんの人に伝えたい」と話している。
名古屋銭湯女子部、銭湯めぐりブログで報告:朝日新聞デジタル
http://www.asahi.com/articles/CMTW1311252400006.html