[中日]「助けたい」勇気が結実 スーパーで女性救命の4人に感謝状(2021/10/19掲載)

とっさの勇気と連携プレーで女性の命をつなぎ留めた-。
スーパーで買い物中に倒れた高齢女性を救ったとして、緑消防署は、買い物客だった名古屋市緑区鳴海町の鈴木達矢さん(42)、妻明子さん(42)と、フィールなるみ店従業員の中田正伸さん(33)と原末美さん(59)の計4人に感謝状を贈った。すぐに救急車を呼び、心臓マッサージを実施。女性は日常生活が送れるまでに回復したという。
人命救助に貢献し、感謝状を贈られた(左2人目から)中田さん、鈴木達矢さん、鈴木明子さん、原さん=名古屋市緑区滝ノ水4の緑消防署で

消防署によると、八月十六日朝、スーパーで買い物をしていた鈴木夫妻は、背後で「ドスン」という鈍い音を聞いた。振り返ると、高齢女性が倒れていた。すぐさま達矢さんは従業員を呼びに行き、明子さんは一一九番した。
女性は苦しそうな表情で、呼び掛けても反応がない。口元は動いていたが、息をしていないようだった。明子さんは指令センターの指示で胸骨圧迫による心臓マッサージを始めた。町内会の防災訓練で見たことはあったが、実際にやるのは初めてだった。
そのころ、達矢さんの声で、店にいた中田さんも異変に気付いた。「大変です。お客さまが倒れられた」。人手を集めようと、商品出しをしていた原さんの元へ。状況を聞いた原さんは女性の元に駆け寄り、心臓マッサージを引き継いだ。二、三分ほど続けると、女性が大きく息を吐き、呼吸を始めたという。
中田さんは救急車を誘導し、女性を救急隊に引き渡した。要請を受けて出動した大同病院(南区)のドクターカーも到着。川浪匡史救急センター長(43)と粂内雪乃看護師(31)が救急車に同乗し、処置をしながら病院に搬送した。
女性は、後遺症なく社会復帰できたという。スーパーの従業員には女性と顔なじみの人もおり、容体が気になっていたという中田さんと原さん。十五日に感謝状を受け取り、「助かって良かった。ほっとしました」と笑顔。鈴木夫妻も「どうにか命だけは助かってほしいと思っていた。退院されたと聞いてうれしかったです」と話した。
川浪医師は「一分一秒が命に関わってくる。勇気のいる行動だったと思うが、命を救えたのは皆さんの初期対応のおかげ」とたたえた。消防署の小林早紀生署長は「人を助けようという強い思いがつながった結果だと思う」と四人に感謝した。

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「助けたい」勇気が結実 スーパーで女性救命の4人に感謝状:中日新聞Web
https://www.chunichi.co.jp/article/349846?rct=aichi
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