天の川がどうやって誕生したかを、まるっと再現するという壮大なプロジェクトが立ち上がったそうです。しかもこのプロジェクトを遂行するのが国立天文台というからこれは中途半端な内容ではない様相です。しかし、この計算に使用されるコンピューターの規模は圧巻です。
太陽系が属している天の川銀河が生まれ、現在の姿に成長するまでを丸ごとコンピューターの中で精密に再現しようという世界初の野心的な計画に、国立天文台が25日までに乗り出した。 「天の川創成プロジェクト」と名付けられた計画は、銀河ができる過程を解明し、宇宙に多様な形の銀河が存在する謎に迫ろうというもの。同天文台の和田桂一助教授は「天の川銀河がどのような進化をたどったかを知り、観測では難しい銀河の全体構造を解明したい」と話している。 銀河は、宇宙誕生の初期にガスの中から生まれた星が集まってできた小銀河が、さらに合体してできたと考えられ、渦巻きやレンズ状、だ円などさまざまな形をしている。天の川銀河は、太陽のような恒星約1千億個からなる直径約10万光年の渦巻き銀河だ。 計画は、東大などが開発を進めている、世界最速の計算機をほかのスーパーコンピューターなどと組み合わせ1秒間に1千兆回の計算ができる超高速コンピューターシステムを構築。現時点で世界最高の同天文台の銀河シミュレーションより、さらに約1万倍の精度を目指し、プログラム開発を急いでいる。 137億年前の宇宙誕生から約1億年後、原始的な銀河が生まれたころから計算を始め、銀河を構成する星や星間ガス、暗黒物質などが互いの重力で引き合い、成長していく様子を探る。 星の光が物質の性質や動きに与える影響や、星の内部で合成された元素が超新星爆発でまき散らされる過程など、従来は計算できなかった現象も厳密に再現。太陽が生まれたころや未来の天の川銀河の様子も分かる。 プロジェクトは5年計画。成果を一般向けの短縮版のアニメーションとして、同天文台に新設するドーム型の四次元デジタル宇宙シアターで公開する計画だ。はてさて、どんな内容の結果が公開されるのでしょうか。ある意味、日本の天文学の威信をかけたプロジェクトになりそうな気がします。
ちなみにこんなプロジェクト(草案)も他にあるようです。
検討予定のプロジェクト(現在考慮中)ですが、興味の沸くタイトルも見受けられます。