中日新聞(2008/10/1)に記事が掲載されていました。
-----
以下本文
-----
県内最奥の豊根村に1日、120年の村の歴史で初めてのベーカリー「ベッケライ ミンデン」がオープンする。ドイツで修業した山口美知英さん(59)が、名古屋市緑区からの移住に合わせて開く。「きれいな水と空気の中で、おいしいパンを焼き上げたい」と意気込んでいる。
システムキッチン製造の技術者だった山口さん。出張でたびたび訪れたドイツのパンに魅せられ、50歳で中途退職して同国へ。北部の小都市ミンデンのパン工房が受け入れてくれた。床磨きから始め、4年間で100近いレシピを身に付けて帰国。自宅近くで始めたベーカリーは口コミで評判になり、雑誌に何度も載った。
妻の智恵子さん(63)はかねがね、田舎暮らしにあこがれていた。山口さんのドイツ行きを認めるのに出した条件は「いずれ私の夢もかなえること」。名古屋に店を開いて4年。「そろそろ時期だと思った。体力のあるうちに、新しいチャレンジをするのもいい」
新居の隣に建てた工房は、以前の店と同じ10坪の広さ。原料は名古屋から宅配便で仕入れる。ライ麦主体のドイツのパンは、硬めでどっしりとした味。山口さんは名古屋で好評だった本場そのままのレシピを保ちつつ、高齢者の多い村に合わせ、バターロールやあんパンも作る予定だ。村特産のブルーベリーを生かした新商品の構想もある。
「とりあえずやってみようと」。売れ具合が分からないため、売り場は工房の一角に設けた。村内の集客施設にもセールスに出向くつもりだ。
冬に向かう人口1500人の山里。木立の間に香ばしいにおいを漂わせて、「村のパン屋さん」に温かな灯がともる。問い合わせはミンデン=電0536(85)1234=へ。
中日新聞:豊根村初のベーカリー、きょうオープン:愛知(CHUNICHI Web)
http://www.chunichi.co.jp/article/aichi/20081001/CK2008100102000047.html