台風から変わった温帯低気圧と前線の影響で、東海地方では4日午後、各地で猛烈な雨が降った。午後5時までの1時間に名古屋市中区や港区の一帯で約110ミリ、岐阜県各務原市や笠松町の一帯でも午後4時までの1時間に約100ミリの雨を観測。名古屋、岐阜両地方気象台は記録的短時間大雨情報を出した。
岐阜県では4日午後9時までに、岐阜市や大垣市、海津市などの6786世帯2万154人に避難勧告。大垣市上石津町時山地区では23世帯28人が地域の避難所に避難した。関市倉知の藤谷(ふじや)川では4日午後4時ごろ「人が流された」と119番通報があり、県警などが捜している。
愛知県では名古屋市が市内全域に避難準備情報を出し、北区の堂前川周辺の住民に避難勧告を出した。一宮市の男性(55)がマンホールに落ちてけがをしたほか、名古屋市などで床上浸水が52件発生し、161カ所で道路が冠水した。春日井市も市内32地区に避難準備情報を出した。
また、三重県伊勢市では元工場のスレート屋根が吹き飛ぶなどした。竜巻の可能性もあるという。
交通も乱れた。東海道新幹線は午後5時35分まで三河安城―岐阜羽島間などで運転を見合わせて上下線で計46本が運休し、約11万2千人に影響があった。JRの東海道線、中央線、関西線や名鉄名古屋線、近鉄名古屋線などでも多くの区間で運転を見合わせた。
中部電力によると、名古屋市緑区で約2300戸、愛知県安城市と高浜市でも最大約320戸で停電が発生した。岐阜県内でも岐阜市など8市町で計3120戸が停電した。
大気の不安定な状態は5日昼前まで続き、同日午後6時までの24時間雨量は愛知、三重各県で250ミリ、岐阜県で200ミリの見通しだ。名古屋地方気象台は大雨や落雷、竜巻などへの警戒を呼びかけている。
朝日新聞デジタル:東海地方で記録的豪雨 各地で避難勧告・交通乱れ相次ぐ - 社会
http://www.asahi.com/national/update/0904/NGY201309040009.html