高齢化が進む名古屋市緑区の鳴子団地で、独り暮らしのお年寄りの交流の場にと、名古屋市立大の学生が「おひさまカフェ」を開いている。手軽な値段で飲み物を提供し、お年寄りには「知り合った人と語らうのが楽しみ」と好評だ。将来的には、団地の住人自身が支え合う地域づくりのため、スタッフを学生から元気なお年寄りへ引き継ぐことも検討する。
日曜日の昼下がり。集合住宅の一階にある福祉施設のテラスから食堂に入ると、十数人のお年寄りがコーヒーカップを片手に、よもやま話に花を咲かせていた。
「喫茶店はいくらでもあるけど、近所の皆が集まるこの場所が楽しみ」と中野いのさん(84)。団地に住んで四十五年。三年前に夫を亡くした。ほかのメンバーも、夫に先立たれた女性が多い。
約七十棟、二千戸が並ぶ鳴子団地は日本住宅公団(現都市再生機構)が整備し、一九六二(昭和三十七)年に入居が始まった。介護保険事業などを営む地元のNPO法人「たすけあい名古屋」によると現在、団地の六十五歳以上の高齢化率は40%を超え、お年寄りの半数が独居という。
カフェは市立大の医学、薬学、看護学部の一年生による地域参加型学習の一環。十人の学生がたすけあい名古屋と協力して五月から構想を練り、七月にオープンした。引きこもりがちなお年寄りの外出を促し、交流や健康づくりに役立てる狙いだ。
営業は日曜日の午後二~四時。利用者は二百円を払い、学生が手作りしたメニューを見て飲み物を注文。パンや菓子も付く。
オープン当初は学生がお年寄りの間に入って場を盛り上げたが、最近は常連同士で自然に会話が弾むように。近隣で誘い合って訪れるなど、輪が広がりつつある。
「戸別訪問でチラシを渡して宣伝してきたかいがあった」と看護学部の石井綾乃さん(18)。医学部の木村理沙さん(18)は「お年寄りと話すのは、医療を目指す自分の勉強にもなる」と手応えを話す。医学研究科の早野順一郎教授(57)は「在宅医療や福祉を地域でやっていくために、大学のかかわり方を模索していけたら」と話している。
中日新聞:独居お年寄り交流カフェ 鳴子団地に名市大生開店:愛知(CHUNICHI Web)
http://www.chunichi.co.jp/article/aichi/20121003/CK2012100302000038.html
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