「引き際の決断は洞察力と自制心が要」久受尊名不詳

久しく尊名を受くるは不詳なり

―久受尊名不詳―

[原文](史記 貨殖列伝)
久受尊名不詳
[書き下し文]
久しく尊名(そんめい)を受くるは不祥(ふしょう)なり
[原文の語訳]
久しく名誉を受けることは不詳である
[解釈]
誰でも栄誉を欲しがるものですが、昇りつめればその先は下り坂、栄誉でも長く続くと禍のもとにもなります。
「動あれば反動あり」「満つれば欠ける」ものです。引き際が大事、洞察力と自制心をきかせて
「力は充分に通用するだけある」とか「支持率が高い」のに自ら落ち目に気づいて引退を決断する意志の強さはなかなかできるものじゃないですよね。
ここでも先日の「人生一分を減省せば、すなわち一分を超脱す」にもあったように、栄誉をいつまでも増やし続けていくと欲求に支配されて自らを縛ってしまいますし、周りからの目も変わってきます。そうなる前に減らすこともしなければいけんません。
名誉を求めるあまりに、度を越してしまうとなりふり構わぬ行動に出てしまう危険性もあります。
現代ではやたらと肩書を求め続けてそれをひけらかす人がいます。著名人と同席したなど最初のうちは羨望のまなざしで聞いていますが、あまりに頻繁に聞かされると、いつしか単なる自慢話にしか聞こえてこなくなります。
[参考]
久しく尊名を受くるは不祥なり:原文・書き下し文・意解 言葉の散歩道142 | ナオンの言葉の散歩道

[中国古典一日一言]

今日の一言は「中国古典一日一言」守屋洋(著)から、同月同日の一言をもとに自分なりに追記や解釈して掲載しています。

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