「大事は奢りからくる気の緩みから」人生大病只是一傲字

人生の大病はただこれ一の傲の字なり

―人生大病只是一傲字―

[原文](伝習録 巻下 黄以方所録)
人生大病只是一傲字。為子而傲必不孝、為臣而傲必不忠、為父而傲必不慈、為友而傲必不信
[書き下し文]
人生の大病は只だ是れ一の傲(ごう)の字なり。子と為って傲なれば必ず不孝なり、臣と為って傲なれば必ず不忠なり、父と為って傲なれば必ず不慈なり、友と為って傲なれば必ず不信なり
[原文の語訳]
人生の中で、一番の大きい病は傲慢になることである。子が親に対して傲であれば親不孝、部下が上司に対して傲であれば不忠(忠誠心が無い)、父として子どもに傲であれば不慈(いつくしみ持てない)、友達に対して傲であれば不信(信頼できない)。
[解釈]
傲の字には「おごる」「ほこる」「気まま」「あそぶ」「たのしむ」「さわがしい」「みだり」などの意味があり、決して良い意味では用いられません。人が生きる上での大きなはばかりを一文字で表すと、この「傲」となるのです。
傲り(奢り)があると気が緩み、そこに隙ができます。小事はそれに始まって、いつしか大事に至ってしまうのです。
一文の後には立場ごとの傲りによる害があげられています。
不養生や不摂生だったり、練習もせず遊んでばかりしているとか、ツケは後から回ってくるのです。
[参考]
人生大病只是一傲字

[中国古典一日一言]

今日の一言は「中国古典一日一言」守屋洋(著)から、同月同日の一言をもとに自分なりに追記や解釈して掲載しています。

コメント受付中です どなたでもコメントできますがスパム対策を施しています

  1. 多久善郎 より:

    この言葉は『伝習録』下巻139で、「銭徳洪所録」にあり、「黄以方所録」ではありません。

    • narupara より:

      ご指摘ありがとうございます。
      返信が遅くなり申し訳ありません。

      まず本投稿は「中国古典一日一言」守屋洋(著)を底本としており原典にあたっていない部分もあります。ご了承ください。
      今回、確認をしたところ下記ページにて当該文が見つかりました。

      —–
      傳習錄/卷下 此後黃以方錄 339 – 维基文库,自由的图书馆
      https://zh.wikisource.org/wiki/%E5%82%B3%E7%BF%92%E9%8C%84/%E5%8D%B7%E4%B8%8B#339
      先生曰:「人生大病只是一傲字。為子而傲必不孝・・・
      —–

      当該文の章後にご指摘の「錢德洪跋」があり、当該文がどちらに属するかは自分は勉強不足のため判りかねるため、ご報告までとさせていただきます。

タイトルとURLをコピーしました