「富の基準は自分の中での絶対値」富在知足

富は足ることを知るに在り

―富在知足―

[原文](説苑)
富在知足、貴在求退。
[書き下し文]
富は足ることを知るに在り、貴は退くを求むるに在り。
[原文の語訳]
本当の豊かさは、もう十分だと認識するところにあり、本当の貴さとは、一歩退いて謙虚であろうとするところにこそある。
[解釈]
富の欲求は際限がなく、資産でも増やそうと思えば増やし続けることもできます。自分自身で「もうこれで充分だ」と満足できたなら、その人はもう豊かな人生を歩んでいるのです。
富の基準は、他人との相対比較ではなく、自分の中での絶対値なのです。今のままで充分幸せと感じていれば他人に口出しされる筋合いはないのです。それは相手が自身の価値観をこちらに押し付けてきているのです。
欲求が過ぎるあまりに良し悪しの見境がなくなり、最終的には身を滅ぼすといったケースもあります。
組織でも利益を求めすぎるあまりに非道徳的な戦術をとったり、利益優先で小事を放置して大事に至らせるなど致命的な不祥事を起こしてしまうケースもあります。
企業では経営数値を冷静にみて、現実的に「日本一」「世界一」が手に届くのであれば組織の活性化として、口にしても良いと思います。
スポーツでも「もうこれで充分だ」という点差はないとは言いますが、あまりに前のめりになりすぎると、かえって逆襲を食らってしまうことも。野球では大量得点の次の試合はえてして得点できないケースが多いですし。
「面白いまち」作りを目指すトップが事あるごとに口にする「日本初」とか「日本一」「世界一」というのも、相対比較に準じた典型的な例ですね。あまりに現実とかけ離れていると周りを興ざめさせるだけです。
[参考]
富は足ることを知るに在り:原文・書き下し文・画像 言葉の散歩道149 | ナオンの言葉の散歩道

[中国古典一日一言]

今日の一言は「中国古典一日一言」守屋洋(著)から、同月同日の一言をもとに自分なりに追記や解釈して掲載しています。

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