「裏方さんの真髄」先天下之憂而憂、後天下之楽而楽

天下の憂いに先立って憂い、天下の楽しみに後れて楽しむ

―先天下之憂而憂、後天下之楽而楽―

[原文](文章規範 范文正公「岳陽楼記」)
常自誦曰、士當先天下之憂而憂、後天下之樂而樂也。
[書き下し文]
常に自ら誦して曰く、「士は当に天下の憂に先だちて憂ひ、天下の楽しみに後れて楽しむべきなり」と。
[原文の語訳]
いつも自分で口ずさんでいうには「士たるものは天下の人々をの心配事に先だって、いち早く心配しなければならぬ。しかも楽しみごとのほうは、天下の人々の楽しみにおくれて楽しむべきである」と。
[解釈]
先憂後楽の語源。庭園の「後楽園」という名は、徳川光圀がこの文章から命名したものだそうです。
できる人は先見の明と危機管理能力に長けていて、様々な場面を想定し、誰よりもいち早く対策を行うことで、小事のうちに不安の芽を摘み取り、フォローをして最終報告を確認して、誰よりも後に安堵します。これは経験や知識がモノを言いますね。さらに「自分がやった」などと自己主張せずにいられるとなお良いかと。
テレビで紹介される農業の物流ドキュメントは典型例ではないでしょうか。農家の方は作物を育てる中で常に雑草や害虫に気を配り、出荷して物流を経て食卓にあがり、それを食している人の笑顔をVTRで見てやっと安心とするシーンがそれと考えます。
スタッフなど裏方さんの真髄ではないでしょうか。スポーツにしてもイベントにしても事前に企画の熟考とともに不安点や不測の事態に備えた準備や運営、終了後の後片付けをおえたらやっと安堵。スポーツでは出場者のケアなど裏方さんあってはじめて成功に導くことができます。監督がチームスタッフに感謝の意を表するのも、その一つではないでしょうか。それを理解できないリーダーではいけないですね。
[参考]
みんゆうNet 四字熟語
天下の憂に先だちて憂へ(士當先天下之憂而憂、後天下之樂而樂也) :獨樂獨歩

[中国古典一日一言]

今日の一言は「中国古典一日一言」守屋洋(著)から、同月同日の一言をもとに自分なりに追記や解釈して掲載しています。

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