「文武を兼ね備える」有文事者必有武備

文事有る者は必ず武備有り

―有文事者必有武備―

[原文](史記 孔子世家)
臣聞、有文事者必有武備、有武事者必有文備。
[書き下し文]
臣聞く、文事(ぶんじ)有る者は必ず武備(ぶび)有り、武事(ぶじ)有る者は必ず文備(ぶんび)有りと。
[原文の語訳]
聞く所によると、文を備えている者は必ず武も備えており、武を備えている者は必ず文備も備えているものだ、と。
[解釈]
いろいろな解釈ができます…。
できる人は文武両道であり、逆に言えば目指すところは文武両道であって一方に偏ってはいけないということです。
当時、片方が足りていないと文官・武官どまり、両方を兼ね備えていると将軍となったのでしょう。
平和を望んでいても武力は備えていなければいけない。武力を備えていても平和でいることを忘れてはいけない、とも読めます。
ちなみに「文武両道」はその状態を表しているのに対し、この文を由来とする「文事武備」は教えの言葉ということになりそうです。
人を組織に置き換えれば、経営戦略担当の参謀役と、実践する辣腕営業マンは居なくていけないということになります。
営業でいえば商品力や知識という武器を持っていれば、接客や商談などの外交面で強さを発揮するということになりますね。お客さんの質問や要求に即回答できる接客担当がいてくれるとありがたいものです。ただ、知識だけあっても商品やサービスがなければいけません。
知識や経験を持ち合わせているだけでなく、それを活用して積極的に動くとともに、万一の備えなどリスク管理もしなくては宝の持ち腐れとなってしまいます。
[参考]
文事ある者は必ず武備あり:原文・書き下し文・意味 – Web漢文大系

[中国古典一日一言]

平成27年(2015年)5月1日から平成28年(2016年)4月30日までの今日の一言は「中国古典一日一言」守屋洋(著)から、同月同日の一言をもとに自分なりに追記や解釈して掲載しています。

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