「今の自分はそれに見合うレベルか自問自答を」不患無位、患所以立

位なきを患えず、立つ所以を患えよ

―不患無位、患所以立―

[原文](論語 里仁第四)
子曰、不患無位、患所以立。不患莫己知。求爲可知也。
[書き下し文]
子曰く、位なきを患えず、立つ所以を患えよ。己を知ること莫きを患えず、知らる可を為すを求むるなり。
[原文の語訳]
孔子が言う、地位のないのを嘆くするよりも、自分にそれだけの資格があるかどうかをまず心配するべきです。自分が世間に認められないのを嘆くより、認められるだけの価値ある人間になるように努力するほうが先です。と。
[解釈]
役職を欲しがるがもらえないことを嘆く前にその職責をこなすだけの能力が自分があるのか、責任を負うだけの責任感があるかどうかを自問自答するのが先です。不祥事が起きた時に、さっさと逃げ出すような人物には、とうてい役職を与えることなんてできないですから。
人徳と同じで、自分で特に発信しなくても、力があれば自然と周りから集まってくるものです。陰の努力はちゃんと評価されるもので、評価されないのは、その努力が全く違う方向を向いているのか、評価してもらいたい人の求めるものと若干ズレているのかもしれません。それでは能力の正しい評価のしようがないのです。
一度の大きな成功ですぐに評価してもらおうとしていてはいけません。次もうまくいくとは限らないからです。成功も失敗も経験するうちに見合う人物かどうか評価されていくのです。
「総理になりたい人」が総理になれないのはなぜなのか、この言葉を噛みしめて一度ゆっくりと考えてみてほしいものです。
やたらと肩書を欲しがって団体やグループを立ち上げる人がいますが、あちこちに手を広げすぎることで予定に拘束されて身動きがとれなくなったり、責任感が薄氷の如くなっているような気がします。
組織内部で部下が四苦八苦しているのに、トップは別の組織での交流会で盛り上がっているなどと聞かされると気力も萎えてしまいますね。
[参考]
『不患無位、患所以立、不患莫己知、求為可知也』(位なきことをうれえず:)【ビジネスシーンで使える論語】 | マイナビニュース

[中国古典一日一言]

今日の一言は「中国古典一日一言」守屋洋(著)から、同月同日の一言をもとに自分なりに追記や解釈して掲載しています。

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