「正当性を優先に融通をきかせる」大人者元不必信、行不必果

大人は言必ずしも信ならず、行必ずしも果ならず

―大人者元不必信、行不必果―

[原文](孟子 第八巻 離婁章十一)
孟子曰、大人者元不必信、行不必果、惟義所在。
[書き下し文]
孟子曰く、大人は言必ずしも信ならず、行必ずしも果ならず、惟義の在る所のままにす。
[原文の語訳]
孟子が言う、大人は必ずしもその言葉どおりの行ないをするとは限らないし、やりかけた行動を最後までやり遂げるとは限らない。ただ義に従って適宜に行うまでです。
[解釈]
「有言実行」「言行一致」は基本ですが、言ったことに誤りがあった場合は、それを軌道修正する必要があるのです。「過ちては改むるに憚ること勿れ(過ちを犯したことに気づいたら、体裁や対面などにとらわれず、ただちに改めるべき)」ということです。
「一度決めから頑なにやり遂げる」「後に引かない」という猪突猛進型ではなく、できる人は柔軟性があり融通がきくのです。朝令暮改でも義にかなっていれば周りを納得させることもできるのです。
その後、経験を積み重ねていくうちに、はじめから義に沿った考えを選べるようになるとともに、無責任さを恥じて言葉も慎重になることで、こういったことも少なくなっていくのではないでしょうか。
公約を守れなくても、その理由が明確に説明され、誰もが正当性を感じられ納得できるようでなければいけないのでしょうが、公約自体をなかった事にしたり、達成できない原因を周りにすり替えるようなトップには困りものです。
[参考]
『孟子』離婁章句下 – 蜀犬 日に吠ゆ – 片割れ星第1号
合同会社琉球の未来:論語・言行一致が大切
SASAKI Ichiro’s Public Diary:臨機応変、天真爛漫

[中国古典一日一言]

今日の一言は「中国古典一日一言」守屋洋(著)から、同月同日の一言をもとに自分なりに追記や解釈して掲載しています。

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