「付き合いはさっぱりと」君子之交淡若水

君子の交わりは淡きこと水の若し

―君子之交淡若水―

[原文](荘子 山木)
君子之交淡若水、小人之交甘若醴。君子淡以親、小人甘以絶。彼無故以合者、則無故以離。
[書き下し文]
君子の交わりは淡きこと水の若く、小人の交わりは甘きこと醴(れい)の若し。君子は淡くして以て親しみ、小人は甘くして以て絶つ。彼の故無くして以て合う者は、則ち故無くして以て離る。
[原文の語訳]
君子の付き合いは水のように淡泊で、小人の付き合いは甘酒のように甘いものである。君子の付き合いは淡々だが飽きることなく親しいままだが、小人の付き合いは甘くて利を離れない故にやがてとだえてしまう。理由なしに結ばれたものは理由なしに離れ去るものである。
[解釈]
君子の付き合いは水のように淡泊なので、その関係は永続きするというもの。
味気のない水は、一見するとつまらないですが、なんにでも応用することができ、いつまでも使い続けることができますが、甘酒のような味のついた水は用途が限定されるし、飲み続けると飽きてきます。また、旨味を感じなくなるとあっさり見捨てられてしまいます。
できる人の交友関係は一定の距離を維持し、プライベートでも相手に極端に深入りすることなく、誰とでも公平な付き合い方をしますが、そうでない人は好き嫌いから付き合い方に浅深がうまれ、干渉し過ぎることでやがて敬遠されてしまうのです。また、ベタベタしているので、いつまでも癒着が剥がれずに深みにはまっていくこともありそうです。
ここでもできる人は「水」なのです。
[参考]
君子の交わりは淡きこと水の如し:原文・書き下し文・意味 – Web漢文大系
水交会について|公益財団法人水交会

[中国古典一日一言]

今日の一言は「中国古典一日一言」守屋洋(著)から、同月同日の一言をもとに自分なりに追記や解釈して掲載しています。

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