寇に兵を藉し、盗に糧を齎す
―藉寇兵、齎盗糧―
- [原文](史記 李斯列伝 / 戦国策 秦策)
- 此所謂藉寇兵、而齎盗糧者也。
- [書き下し文]
- これいわゆる寇(あだ)に兵を藉(かし)し、盗に糧を齎(もたら)す者なり。
- [原文の語訳]
- 俗に言う仇や敵に武器を貸してやり、盗賊に食糧を与えてやるような人のことである。
- [解釈]
- 相手にとって有利なことをわざわざやってしまう「失策」のことです。こちらのミスで相手に大義名分を与えてしまっては形勢は一気に不利になってしまいますね。
- 面倒くさいとかやりたくないからといって簡単に他へ任せてしまうと、実は大きな機会損失になっているかもしれません。
- 目先の利益ばかりに気がいってしまうと、こういった失策に陥りやすそうですね。
- トラブルや問題が起きた時、責任の追求ばかりをして原因究明と改善を疎かにしていると、同じ間違いを繰り返したり、ライバルに後れを取ることにもなりかねません。
- 締め付けを厳しくしたり独裁政治になると、優秀な人材は外部へ流出してしまいます。経営者としては優秀なスタッフが抜けないよう自ら気をつける必要があります。
- 政治の世界では失言や脇の甘さが他陣営の格好の標的になることがよくありますし、SNSでの炎上騒動も然りです。
- 自らの理想だけを追究し他にすべきことを放置するようなトップのもとには、類は友を呼ぶ、同じような私欲を持つ人しか自然には集まってきません。皆、現実的な地を選ぶのです。
- 多少の不便さがプレミア感を上げる効果がありますが、度が過ぎると融通の利くライバルにお客さんを奪われる危険性もありますね。
- [参考]
- 中国通史で辿る名言・故事探訪 中国通史で辿る名言・故事探訪(泰山は土壌を譲らず、)
[中国古典一日一言]
平成27年(2015年)5月1日から平成28年(2016年)4月30日までの今日の一言は「中国古典一日一言」守屋洋(著)から、同月同日の一言をもとに自分なりに追記や解釈して掲載しています。
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