「海老で鯛を釣る」則是宝猶、取之内府、而蔵之外府也

則ちこれ宝はなお、内府より取りて、外府に蔵するがごとし

―則是宝猶、取之内府、而蔵之外府也―

[原文](韓非子 十過)
則是宝猶、取之内府、而蔵之外府也
[書き下し文]
則ちこれ宝はなお、内府より取りて、外府に蔵するがごとし
[原文の語訳]
宝物はただ、内倉から出して、外倉に収めるのと同じ
[解釈]
宝物や馬を他国に与えても、その領地を我が物にしてしまえば与えた品物は再び自分のものとなる。一時的に外の蔵にしまったのと同じということ。
目先の利益に目がくらんで、大きな損失を出してしまうということです。相手にとっては海老で鯛を釣るようなものですね。
会員カードなどではポイント還元されますが、個人の購買履歴などの動向情報が企業側に渡っています。企業側は一時的な支出で利益は減りますが、動向分析により粗利の高い商品やサービスを開発し、売上を増加させれば元はしっかり取り戻せるのです。
何かを手に入れようとした時に出し惜しみをしていけませんし、元手を回収できる見込みを保つ必要があります。
一時的に財布からの支出を減らす方針に喜んでいても、後から大きなツケがまわってくる危険性があります。
原料を仕入れ加工業者に委託し手間賃を払っても、完成品で利益が確保できれば組織としては大丈夫なのです。ただし、そこで技術など外部流出しないようにだけ注意しなければいけません。
[参考]
10. 十過 :『韓非子』 現代語訳 – SZ-lab

[中国古典一日一言]

平成27年(2015年)5月1日から平成28年(2016年)4月30日までの今日の一言は「中国古典一日一言」守屋洋(著)から、同月同日の一言をもとに自分なりに追記や解釈して掲載しています。

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