自分も流れに乗っているのかここ数年、図書館で多く本を借りています。
有名な小説の書き出しは、試験問題にもなる。「木曽(きそ)路はすべて-」「国境の長いトンネルを抜けると-」などが右代表である
◆逆に文芸評論家斎藤美奈子さんは最後の1行に注目して「名作うしろ読み」を書いた。「木曽路はすべて-」で始まる「夜明け前」は「一つの音の後には、また他の音が続いた」で終わる。名著は締めくくりも味がある
◆いや真ん中も味わい深い。加東市の滝野図書館がそんな企画を始めたと本紙地域版で読む。印象深い一節を印刷しカバーにする。本はビニールでくるむから、一節だけを手がかりにして本を選ぶ趣向だ
◆加東市立図書館といえば8年連続日本一で知られる。同じ人口規模で比較した1人当たりの貸出数だ。高い数字の裏に工夫があるとあらためて知る。この話題が載る地域版のトップ記事は多可町図書館の読書手帳である。借りるたびシールを貼る。これまた楽しい
◆総じて今、図書館が元気だ。団塊世代がよく利用しているし、各館とも独自のアイデアを練る。2010年度の国の全国調査を見れば、貸出数は過去最高で図書館数も増えている
◆出版不況は深刻で、書店は活字離れにあえぐ。なのに図書館が元気なのはなぜか。北播磨から届いた話題を読みながら、活字文化が反転攻勢する手がかりはないかとしばし思案する。
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