タイトルが七つもあるとは今まで知らなかった。今朝の新聞各紙には新たに棋聖となった井山裕太さんの写真が一面に掲載されていた▼囲碁の歴史は古く紀元前八世紀頃から始まる春秋時代にはすでに成立していたと言われている▼国内では棋聖、十段、本因坊、碁聖、名人、王座、天元が七大タイトルでこれら全てを一回以上経験する事をグランドスラムと呼ぶ。今回、井山棋聖はそれを達成とともにこのうち六冠を同時に獲得するという史上初の快挙も達成した。次は同年に三大タイトルを獲得する「大三冠」と同年に全てを獲得するという大偉業達成への期待がかかる▼各棋戦は一年を通じて順次開催される。だからタイトルを多く持つ棋士には次から次へとタイトル戦が組まれ気の休まる時がないことは容易に想像できる▼タイトル戦は二種類に分けられ七番勝負でリーグ戦形式で挑戦者を決定する「三大棋戦」と五番勝負でトーナメント形式により挑戦者を決定する四大棋戦となる。棋戦による賞金と格も違っている▼各紙記事を読み比べると新聞社により棋士につけるタイトル名が違っているのき気づく。読売が「棋聖」なのに対して中日は「天元」に、産経は各タイトルを羅列紹介する中で先頭に「十段」と記している。各タイトル戦の主催者を見てみると棋聖は読売新聞、一方の天元は新聞三社連合とある。詳しく見るとブロック紙三社連合には中日新聞が含まれているのである。こんなところに各社の意地が垣間見える。
平成25年3月15日 雑句話欄

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