「充分に準備を整え、好機が訪れたらすぐに行動を起こそう」備えを以って時を待ち、時を以って事を興す

備えを以って時を待ち、時を以って事を興す

―以備待時、以時興事―

[原文](管子)
…是以聖王務具其備而慎守其時、以備待時、以時興事、時至而舉兵、絕堅而攻國、破大而制地、大本而小標…
[書き下し文]
…是を以て、聖王は務めて其備を具足し、愼で其時を守る、備を為して時を待つ、時至れば事を興す、時至れば兵を擧ぐ、堅固なる險阻を絕り越えて敵國を攻め、大國を破りて其地を裂きとり、本の我國を大にして標(末)の與國を小にし…
[解釈]
戦における準備・実行・後始末の大事さを説いた中の一文。
充分に準備を整え、好機が訪れたらすぐに行動を起こそうという下積みの大事さとともに、一方で準備が充分にできていても、タイミングがあわなければ出来るものも出来なくなるという我慢の大事さも。
「準備・実行・後始末」をサイクル(円)にして、その円を徐々に大きくしていけばとてつもなく大きなものになる。サイクルだから後始末は次の準備に繋がっているので「小さなことの積み重ね」「終わりは次の始まり」「次に繋がるような負け方」などにも通じると考えます。
現代だと、例えば陸上種目でジャンプを必要とする時には膝を曲げる準備と踏み切るタイミングがあわなければ記録は伸びないし、町工場でも厳しい時期に我慢しながら培っていた技術が、新たな需要で陽の目をみることになることも多々ありますし。
原文の続きは、戦が終わった後には勝ち取った領内を安定させるとともに次の戦の準備もしていかないといけない。民を安心させ、その地で兵糧を調達する準備をし、次の戦に備えると説かれているようです。
[参考]
Full text of “Kanshi”

[中国古典一日一言]

今日の一言は「中国古典一日一言」守屋洋(著)から、同月同日の一言をもとに自分なりに追記や解釈して掲載しています。

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