「自分の利益のためにしか動いていないか」細人之愛人也以姑息

細人の人を愛するや姑息を以ってす

―細人之愛人也以姑息―

[原文](礼記 檀弓上)
君子之愛人也以德、細人之愛人也以姑息
[書き下し文]
君子の人を愛するや徳を以ってし、細人(さいじん)の人を愛するや姑息を以ってす
[原文の語訳]
君子は徳義にかなうようにして人を愛し、小人は目さきだけの感情で人を愛する
[解釈]
「細人」は小人と同じで「つまらない人間」の意味
「姑息」は現代の解釈は誤っているそうです。本来の意味は思いきったことをしないで、そのまま。いっときの間に合わせ。一時しのぎで当面を取り繕うことの意味。「姑息な手段」を「卑怯な方法で」というのは誤った使い方。
できる人は他人のために自分の徳を用いて全身全霊をもって尽くすが、つまらない人間は間に合わせ程度にしかその人のために尽くさない
自分の欲望を基準にしてしか人のために動かない
実業家の経営の根底によく出てくる「社会貢献」という考え方も、世のため人のため、社会のために精進努力をする(他利・利他)ことが、そのまま自利すなわち本当の自分の喜びであり幸福となる(→情けは人のためならず)。それに気づけば人は心からの生き甲斐を感じることにつながる。目先の自分の利益のためだけにしか考えないようでは、そこにたどり着くことはできないでしょう。
[参考]
荀顗と王祥 ・それぞれの選択と、司馬昭の迷い | W/L
事業目的 | TKC全国会のご紹介 1万名超の税理士集団 経営改善支援のTKCグループ

[中国古典一日一言]

今日の一言は「中国古典一日一言」守屋洋(著)から、同月同日の一言をもとに自分なりに追記や解釈して掲載しています。

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