険を行って以って幸を徼む
―行険以険徼幸―
- [原文](中庸 第十四章)
- 故君子居易以俟命。小人行險以徼幸。子曰。射有似乎君子。失諸正鵠。反求諸其身。
- [書き下し文]
- 故に君子は易きに居て以て命を俟つ。小人は險(さが)しきを行って以て幸を徼(もと)む。。子曰く、射は君子に似れること有り。諸を正鵠に失すれば、反って諸を其の身に求む。
- [原文の語訳]
- (君子は)人が人として歩むべき平易な道を行き、あとは天命にその身を委ねる。しかし、小人は、あえて人の道を外れ危険を冒し、思いがけない幸運を求める。。孔子が言う。弓を射るのは君子に似たところがある。矢を放って的を外したとき、当たらなかった原因を自分に立ち返り、自分の射方に間違いがなかった自省する。
- [解釈]
- 人は追い詰められると希望的観測に走りやすく、一攫千金を狙って博打などに手を出しがちです。
- 天には運を任せるのではなく命を委ねるように。
- できる人は己の限界を知っているので無理をしてまで高リスク・ハイリターンは求めません。
- 夢を追うのもよいです、その夢は叶えられそうもないものを無理に求めるのではなく使命に基づくものであった方がよいでしょう。
- 目指すゴールははるか向こうでも、まずは無理をせず目の前の小さな目標を地道にクリアしていくことで、最終的に目標を達成できるものです。
- 無理をする場合は失敗したりうまくいかなくても、それが致命傷にならないようなであれば挑戦するようにすると良いかもしれません。
- 野球で1点ビハインドの場面、ランナーを送りバントで確実に進めるのか、ヒットエンドランで逆転まで視野にいれるかは監督しだいです。試合の序盤であればエンドランで失敗しても挽回するチャンスはありそうですが、9回ともなるとそうはいっていられないですよね。
- 博打をうつのは運を他に求めています。現実を受け入れて、その中でより良い方向へ向かうために自分は何ができるのかを考えていった方が傷口を広げす現実的です。
- 戦の時代は背水の陣など死地に追い込まれたりすると、正面突破で現状打破や脱出しようと必死になります。そこに攻め側が逃げ口をひとつ用意しておくと「ここから逃げられる」と安易に誘導され壊滅的打撃を受けました。
- 三国時代に曹操は臣下の諫言に耳を貸さず、北方の地、幽州を強引に攻めました。勝利こそ収めましたが自らも危険な目にあうなど厳しい戦いを強いられ、帰還した際に同じことを口にしたそうです。
- [参考]
- 宇野訳注で訓む中庸24第14章の2-上位に在っては下を陵がず。 | ドン・愚利公の連れづれ草 – 楽天ブログ
[中国古典一日一言]
今日の一言は「中国古典一日一言」守屋洋(著)から、同月同日の一言をもとに自分なりに追記や解釈して掲載しています。
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