鷦鷯、深林に巣くうも一枝に過ぎず
―鷦鷯巣於深林不過一枝―
- [原文](荘子 逍遥遊篇 第一)
- 鷦鷯巣於深林不過一枝。偃鼠飲河不過滿腹。歸休乎君、予無所用天下為
- [書き下し文]
- 鷦鷯(しょうりょう)、深林に巣くうも一枝(いっし)に過ぎず。偃鼠(えんそ)は河に飲むも腹を満たすに過ぎず。休を君に帰せん、予は天下を用いてて為す所なし。
- [原文の語訳]
- 鷦鷯(みそさざい)は深い林の中に巣を作るが、必要とするのは一枝だけだし、偃鼠(もぐら)は大きな川で水を飲んでも、その小さな腹を一杯にするだけ。君よ、お帰りください。私は天下を譲られたところで何もすることができません。
- [解釈]
- 一文は天下を譲るという申し出を断った際の話。すでに天下が治まっているのに、それを自分が譲り受けても名声を譲り受けるだけで治め続けることはできない(自分では名に実が伴わない)から辞退するというもの。
- 一文は「譲り受ける」受動的な内容ですが、人は自分の分に応じて現状に満足するのがよい。分相応以上のことを望んではいけない。
- 安易に「人生一発逆転」なんて考えてはいけないし、前任者が築きあげてきた手柄を後任者がいかにも「自分の手柄だ」などと得意気に語るのは言語道断ですよね。
- さまざまな欲望や名声に目を奪われすぎて、本当に必要なものを見落としていけない。
- 人それぞれの置かれた立場や能力に応じた、ふさわしい生き方や暮らし方があるはずです。
- 人間の欲望にはきりがないですが、欲深くならず分相応で満足することを知っている人は、たとえ貧しくとも精神的には豊かで幸福なのです。→足るを知る者は富む
- [参考]
- 鷦鷯、森林に巣くうも一枝に過ぎず:原文・書き下し文・意解 言葉の散歩道18 | ナオンの言葉の散歩道
[中国古典一日一言]
今日の一言は「中国古典一日一言」守屋洋(著)から、同月同日の一言をもとに自分なりに追記や解釈して掲載しています。
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