「徳を備える基本は寛大さと慎ましさ」温温恭人維徳之基也

温温たる恭人はこれ徳の基なり

―温温恭人維徳之基也―

[原文](詩経 大雅)
温温恭人維徳之基也
[書き下し文]
温温たる恭人はこれ徳の基なり
[原文の語訳]
寛大であり、身を慎んでいる人は、すべての道徳の基本となる
[解釈]
道徳の基本である徳を備え、寛大で身を慎んでいる人は、自然とまわりの人から慕われ、信頼されるのです。
「徳」に関する言葉はたくさんありますが、共通するのは「何かを行う基本」であり「徳があれば人が集まる」ということ。ただし、徳は耳で聞いたものではなく体得しなければ意味がないのです。→「善く吏たる者は、徳を樹う」(韓非子)、「徳は事業の基なり」(菜根譚)
三國志にも「君以温恭為基(君は温恭を以って基となす)→陛下は温恭(おだやかで慎み深いこと)であることをもっとも大切であると考えられた」(武帝紀)とあり、論語にも「己立たんと欲して人を立て、己達せんと欲して人を達す」とあります。できるリーダーに備わるべき要素ではないでしょうか。備わる徳で部下を感化させることができるのです。
徳を備えるのは並大抵のことではないでしょうが、日頃から心がけることとして「軽はずみな言動は控える」「高圧的な態度をとらない」「相手の立場になって考える」などが挙げられるのではないでしょうか。
[参考]
温温たる恭人はこれ徳の基なり:原文・書き下し文・意解 言葉の散歩道60 | ナオンの言葉の散歩道

[中国古典一日一言]

今日の一言は「中国古典一日一言」守屋洋(著)から、同月同日の一言をもとに自分なりに追記や解釈して掲載しています。

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