「信賞必罰も不明確なら重賞軽罰で」与其殺不辜、寧失不経

その不辜を殺さんよりはむしろ不経に失せよ

―与其殺不辜、寧失不経―

[原文](書経 大禹謨)
罪疑惟軽、功疑惟重、与其殺不辜、寧失不経
[書き下し文]
罪の疑わしきは惟(これ)を軽くし、功の疑わしきは惟を重くす。その不辜(ふこ)を殺さんよりはむしろ不経(ふけい)に失せよ
[原文の語訳]
罪の疑わしい者を処分する時は、軽い方の刑に従って処罰するべきである。また論功行賞などの際に、その功績が明確でない場合には、恩賞は重くした方がよい。罪のない人間を殺すよりは、むしろ法律に合わないことがあっても、これを許すほうがよい
[解釈]
罪のない人間を殺すよりも、むしろ法律のほうを曲げたほうがましである
極論だと「病気を起因として事件を起こした場合は、それ(病気)を理由に情状酌量としたほうがよい」になりそうです。これには賛否両論あるでしょう。
冤罪を作るよりも寛大にした方がよいという考え方ですが、冤罪を監督責任者にすり替えることもできそうで、解釈しだいですが上層部に都合が良い考え方にできそうです。
別の解釈としては、失敗を犯した際に担当者を罰することは重要ですが、実は何らかの上司からの指示があった可能性や、組織の方針上やむなく行った結果である場合もあります。そんな時は担当者一人の責任とは言いがたく、情状酌量の余地もあるでしょう。また周りのアドバイスを受け入れつつ、プラスアルファで機転を利かせて成果を上げた場合は、結果的に個人を含めた総合評価として加点しても良いかもしれません。
[参考]
慣用句辞典 けい~けた

[中国古典一日一言]

今日の一言は「中国古典一日一言」守屋洋(著)から、同月同日の一言をもとに自分なりに追記や解釈して掲載しています。

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