「主導権を相手に握らせない」善戦者致人而不致于人

善く戦う者は人を致して人に致されず

―善戦者致人而不致于人―

[原文](孫子)
善戦者致人而不致于人
[書き下し文]
善く戦う者は人を致して人に致されず
[原文の語訳]
戦いに勝つ者は相手を動かすが、相手には動かされない
[解釈]
戦上手は主導権を握って、相手に握らせないものです。
例えば約束の時間より前に待ち合わせ場所に到着しておくのもそうかもしれません。ただ、これも駆け引きの一つで、わざと待たせる人もいます。ただ、そういう時間の約束を守れない人とはそもそも付き合わないほうが良いという考え方もできます。
先手を打つのも主導権を得るには大事なことです。が、急ぐあまりに拙策となっては意味がありません。
先手ではなく主導権を握る方法としては柔軟に対応するというものありそうです。相手の出方によってこちらの形を変える。単なる受け身ではなく次の動作に速やかに動かせる能動的な守備行動です。ただ、これには確たる自信をもって相対するだけの技術が必要です。そのためには経験はもちろん、日頃からあらゆる場面を想定したシミュレーションを描き、訓練をしておくことが大事ではないでしょうか。相手の要望に対して、即座に反応・提案できると相手もこちらを信頼してくれて、それが結果的に主導権を握ることに繋がるのです。
決め事でも、結局は自分の意見に賛同してくれるように「人の心を動かす」ことで支持を得ることができるのです。
[参考]
孫子に学ぼう
第四篇 軍形
人に致して人に致されず――主導権を握ることが、戦略の鍵 :日経BizGate

[中国古典一日一言]

今日の一言は「中国古典一日一言」守屋洋(著)から、同月同日の一言をもとに自分なりに追記や解釈して掲載しています。

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