「寄り添ってくれる人を大事に」木従縄則正、后従諌則聖

木は縄に従えば則ち正しく、后は諌めに従えば則ち聖なり

―木従縄則正、后従諌則聖―

[原文](書経 説命上)
木従縄則正、后従諌則聖
[書き下し文]
木は縄に従えば則ち正しく、后(きみ)は諌めに従えば則ち聖なり
[原文の語訳]
木は縄墨(じょうぼく)に従って切られると正しい形になり、人君は諌めの言葉に従って、はじめて立派な聖天子として立つことができる
[解釈]
「縄墨」は大工が木材に真っ直ぐな直線を引く際に使う道具です。材木の上に墨のついた糸を張り、それを弾いて木に当てることで線の跡を残します。転じて「守るべき規準・規則・軌範・標準」の意味に使われます。
熟練した大工ともなれば、勘を頼りに目測でも真っ直ぐな線を引くことはできるはずですが、それでも縄墨や定規を使います。自分の能力を過信して誤らないためです。
植物のつるでも添え木をすることで、そのままでは曲がってしまうところが真っ直ぐと伸びていきます。人でも寄り添ってくれる人がいるといないのとでは違ってきます。
多少耳の痛いことを言われても、正しい道へ導いてくれるアドバイザーは必要ですし、本人もそれを素直に聞き入れる器量がなくてはいけません。
「周りはすべて師」という意識があれば、自然と傾聴できるものです。ただ、周辺にあまり舵取りが多すぎても困りものですし、そんな場合は数ある意見から、正しい意見を取り上げることができるかどうかも、リーダーの大事な資質です。
諫言に耳を傾けることをせず、独断専行するトップには困りものです。
[参考]
中国通史で辿る名言・故事探訪 中国通史で辿る名言・故事探訪(木は縄に従えば則ち正しく、)

[中国古典一日一言]

今日の一言は「中国古典一日一言」守屋洋(著)から、同月同日の一言をもとに自分なりに追記や解釈して掲載しています。

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