飽食終日、心を用うる所なきは、難きかな
―飽食終日、無所用心、難矣哉―
- [原文](論語 陽貨第十七)
- 子曰、飽食終日、無所用心、難矣哉。不有博奕者乎。爲之猶賢乎已。
- [書き下し文]
- 子曰く、飽食終日、心を用うる所なきは、難きかな。博奕なる者有らずや。之を為すは猶(な)お已(や)むに賢(まさ)れり。
- [原文の語訳]
- 孔子が言う、飽きるほど食し、終日ぼんやりとするとは困ったことである。博打する者もいるだろう。何もしないよりはましである。
- [解釈]
- 「博」は賭け事で「奕」は囲碁を意味するそうで「博奕」は博打に通じます。
- 意味なく一日をぼーっと過ごすよりは、例え博打であっても真剣に頭を働かしたほうがまだマシということです。
- たまの休みで体を休めるという程度ならともかく、休みのたびに一歩も家から出ることなく誰とも会話せずに一日中ネットやゲームをして過ごすというのはどうなのでしょう。直接に相対して真剣勝負をすることだとすれば会話も生まれますし多少は良いのかもしれません。
- 仕事でも出社して作業して昼食をとってまた作業、言われたことを淡々とやるだけの作業では身も入らないですし、特に身につける機会も得ないような気がします。
- 同じように会合にしても出席しても、脱線が多く本来の目的が達せられないようでは、無駄に長く消費された時間が惜しくてたまりません。
- 時間は巻き戻したり増やすことができない貴重な資源です。無駄に消費しないようにしたいものですし、できれば一石二鳥といきたいところです。
- [参考]
- 論語:陽貨第十七:22(原文・書き下し文・現代語訳) – Web漢文大系
[中国古典一日一言]
今日の一言は「中国古典一日一言」守屋洋(著)から、同月同日の一言をもとに自分なりに追記や解釈して掲載しています。
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