「拙くても誠実に」巧詐不如拙誠

巧詐は拙誠に如かず

―巧詐不如拙誠―

[原文](韓非子 説林上)
故曰、巧詐不如拙誠。樂羊以有功見疑、秦西巴以有罪益信。
[書き下し文]
ゆえに曰く巧詐(こうさ)は拙誠(せっせい)に如かず。楽羊(がくよう)は功有るを以って疑われ、秦西巴(しんせいは)は罪有るを以って益信ぜらる。
[原文の語訳]
したがってうまい偽りよりは、拙(つたな)い誠実さに及ばない、と語る。楽羊は功績があったことで信用されなくなり、秦西巴は罪があったことでますます信用されるようになった。
[解釈]
巧みに詐ることは、拙くとも誠実であることには及ばないのです。
言葉巧みに言い逃れるよりも、素直に非を認めるほうがよいということです。
いくら上手に取り繕っても、時に相手に不信感や疑心暗鬼を生むこともあります。自分が気づかないところで相手にこういった感情の変化があると気づいた時にはすでに修復が非常に難しい事態になっている場合があります。それよりは相手の面前で自分の非を認めて怒りを甘んじて受ける方が、ひょっとするとその時だけで事が収まるかもしれません。
[参考]
巧詐は拙誠に如かず:原文・書き下し文・意味 – Web漢文大系
想溢筆翔:(第86回目)『資治通鑑に学ぶリーダーシップ(その21)』 – 限りなき知の探訪

[中国古典一日一言]

今日の一言は「中国古典一日一言」守屋洋(著)から、同月同日の一言をもとに自分なりに追記や解釈して掲載しています。

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