短を捨て長を取る
―舎短取長―
- [原文](漢書 芸文志)
- 若能修六藝之術、觀九家之言、舎短取長、則可以通萬方之略矣。
- [書き下し文]
- 若し能く六藝の術を修めてこの九家の言を観て、短を捨て長を取るならば、もって萬方の略に通じたといえる。
- [原文の語訳]
- もし六芸を修めたならば、九種の思想流派の言葉を読み、欠点や短所を捨てて、美点や長所を選び取ることをすれば、どんな事態にも適切に対処できる対応策を身につけていると言えるだろう。
- [解釈]
- スバリ「いいとこ取り」ですね。
- 完璧な人間などいないです。そして人は常に選択しながら営んでいきます。そうであれば、できるだけプラスになる方を選ぶようにしたいものです。
- 選びとるには自分だけではなく、対人にしてもです。欠点の改善よりも、長所を伸ばす方に力を注ぐことで欠点をカバーできることにもなるのです。
- 本を選ぶにしても、内容全編が自分の糧になることはなかなかないのですし、すべてを実践する必要もありません。各本の中に一行でも琴線に触れる部分があり、それを活用できればその本を読んだ価値は充分にあるのです。
- 舎短取長ということは自分で厳選するということです。膨大な情報の中から自分にとって有益な情報を選びとることもにも通じます。そのためには考えながら情報を読み取っていく必要もあります。
- 三国志では呉の孫権が人材に対して「舎短取長」に長けていたと言われています。短所は把握しながらも目をつむり、長所を活かすよう適材適所にこころがけていたようです。
- 人の体でも、背が高ければ高い所に手が届きますし、身体が小さければ狭い所でも入っていくことができます。
- 組織の中にあっては自分に不得手なことに労力や時間をかけて、しかも成果があがらないようであれば、できる人にお願いすることも大事です。その際にはお願いする相手から自分ができることを代わりに行なう交換を忘れないようにしなければ相手の負担になってしまうので注意が必要です。
- [参考]
- 「舎短取長」(しゃたんしゅちょう)の意味
[中国古典一日一言]
平成27年(2015年)5月1日から平成28年(2016年)4月30日までの今日の一言は「中国古典一日一言」守屋洋(著)から、同月同日の一言をもとに自分なりに追記や解釈して掲載しています。
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