「早めに見切りをつける」速亡愈於久生

速かに亡ぶるは久しく生くるに愈る

―速亡愈於久生―

[原文](列子)
速亡愈於久生
[書き下し文]
速かに亡ぶるは久しく生くるに愈る
[原文の語訳]
早く亡びることは、時によっては長く生きることよりまさることもある
[解釈]
延命するよりも断絶したほうがよい時もあるということです。延命処置や生き地獄に関することになりそうです。
「人命」となると重くなってしまいますが、これを組織に置き換えると、赤字を出し続ける事業は早めに整理するべきということになりそうです。
また株など投資の「損切り」や思い出を引きづらないような「断捨離」が当てはまるかもしれません。
読み方を変えると「長生きすることにおいて、早く消すことが勝る(治る)」ともなります。修正を早くできる方が長く続けられるとも解釈できます。
「亡ぶる」は「逃げる」という意味もあるので、孫子でいう「勝てないとわかれば一旦退くことで無駄死にをしない」とも通じるところがありそうです。
保存料を使っても鮮度や味は落ちてしまいます。それよりもいかに早く使い切るかを試行錯誤する、困難な状況の時こそ新しいアイデアが浮かぶのです。
いずれにしても、見切りをつけるには判断と決断する勇気が必要ですし、特に早い段階でとなると、その見極めが重要になってきますね。
[参考]
楊朱の疑問や悩み – 漢文「列子」の現代語訳を教えてください。 「楊朱 – 億女Q&A

[中国古典一日一言]

平成27年(2015年)5月1日から平成28年(2016年)4月30日までの今日の一言は「中国古典一日一言」守屋洋(著)から、同月同日の一言をもとに自分なりに追記や解釈して掲載しています。

コメント受付中です どなたでもコメントできますがスパム対策を施しています

タイトルとURLをコピーしました