士に争友有らば、則ち身は令名を離れず
―士有争友、則身不離於令名―
- [原文](孝経 諌諍)
- 士有争友、則身不離於令名。
- [書き下し文]
- 士に争友(そうゆう)有らば、則ち身は令名(れいめい)を離れず。
- [原文の語訳]
- 士に厳しい諌言をしてくれる友がいれば、名声を失うことはない。
- [解釈]
- ひとかどの人物に厳しく指摘をしてくれる友がいれば、名声を失うことはないということです。
- できる人であっても誤った判断や間違いすることがあります。そういう時にスバッと言ってくれる友がいれば、素早く正しく直すことができ、失敗を重ね名を汚すことがないということです。
- 上司や部下の関係ではなかなか言えないことでも、友であれば物怖じせず対等に言うことができるものです。
- 名店と呼ばれる老舗にも昔ながらの常連さんがいて、時に厳しいことを言ってもらえることで緩みを正し、永く繁盛しているのです。
- 側近が諫言しても自分好みの意見しか聴かないトップは、永くその職に携わっていても、その話を真から語り合う友人はおらず、人気はあっても名声があるとは言い難いものがあります。
- [参考]
- 父の命に従ふを、孝と謂ふ可きや(孝経[諌諍])
[人を動かす名言名句集―21世紀に生きる]
平成28年(2016年)9月1日からの今日の一言は「人を動かす名言名句集―21世紀に生きる」からの一言をもとに自分なりに追記や解釈して掲載しています。
[中国古典一日一言]
平成27年(2015年)5月1日から平成28年(2016年)4月30日までの今日の一言は「中国古典一日一言」守屋洋(著)から、同月同日の一言をもとに自分なりに追記や解釈して掲載しています。
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