脂に画き氷に鏤むが若し
―若画脂鏤冰―
- [原文](塩鉄論 殊路)
- 若画脂鏤冰。
- [書き下し文]
- 脂に画き氷に鏤むが若し。
- [原文の語訳]
- 脂肪に絵を描き氷を刻むようなものである。
- [解釈]
- 画脂鏤氷(がしろうひょう)の由来で、脂肪のかたまりに絵を描いたり氷に彫刻をするようなもの。それらはいずれ溶けてなくなってしまい徒労に終わるということです。
- 現在は氷の彫刻も芸術作品として評価されていますが、そもそもは溶けてなくなるまでが作品という概念が強いはず、ところがそれを低温下で保存するケースもあります。こうなると人や機械の温度管理調節など手間暇が発生します。消えるはずのものを残すためには余計な労力が発生してしまうのです。
- せっかく外観は良くても、中身や素材が悪ければ時が経てば劣化してしまいます。知ったかぶりや着飾ってもいずれ化けの皮が剥がれるということです。
- 才能や資質があって、指導者や環境に恵まれていても本人が「今はこんなものでも本気を出せばいつでもできる」という意識では、能力を充分に発揮することは困難です。
- 本人にその気がなければ、いくら環境が良くても身につきません。せっかく教わるならば周りから徒労に終わったと失望されない心身の意識を準備をしておきたいものです。
- [参考]
- 脂に画き氷に鏤む(あぶらにえがきこおりにちりばむ)とは – コトバンク
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