「納得できなくても危機だけは救う」亡身殉節、以申素情

身を亡ぼし殉節し、以て素情を申す

―亡身殉節、以申素情―

[原文](三国志 魏書 荀彧伝)
然後亡身殉節、以申素情
[書き下し文]
然る後身を亡ぼし殉節す、以て素情を申す
[原文の語訳]
そうしてから我が身を殺し節に殉じることで、素直な心情を伝えた
[解釈]
大事のために意に沿わないことにも補佐し、軌道にのりはじめたところで節操を貫くために我が身を殺して異を唱えて、本当に気持ちを伝えたということです。
荀彧は曹操が簒奪の野望があることを察していながら、乱世を平定し民を安心させることを優先するために補佐し、いよいよ簒奪の気配が現れ始めたところで、危険を顧みず、それまで抑えていた節度を発し簒奪は義に叛くと反対したのです。
納得できないことでも困窮を鑑みて当面の危機を救うため手助けをし、道筋をつくったところで今後の手助けはできないと後ろ指を指されながらも身を引く、後は継続したい者に譲るのです。道理に沿っていればその事業は継続され、背いていれば早晩断絶するものです。
トップに資質が欠けていると、周囲も最初は付き合い程度に手助けしてくれますが、本腰をいれることもなく、いずれは離れていくのです。
[参考]
中國哲學書電子化計劃字典

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