「妬まれることも覚悟する」今軍敗、吾其死矣

いま軍破れて、吾其れ死のみ

―今軍敗、吾其死矣―

[原文](三国志 魏書 袁紹伝)
若軍有利、吾必全、今軍敗、吾其死矣
[書き下し文]
もし軍に利有らば、吾必ず全うす、いま軍破れて、吾其れ死のみ
[原文の語訳]
もし軍が勝利していたならば、自分は生命を全うできただろうが、軍が敗れたいま、自分は殺されるだろう
[解釈]
自分の助言を無視して失敗したことにより、それ見たことかと嘲笑う自分を処刑するだろうということです。
田豊は自分の意見を無視して戦いに挑み大敗した袁紹を、失敗したことを馬鹿にしていると妬まれて処刑されると覚悟しました。
失敗したことに対し周囲の特定の人物が悪意をもって「誰々が失敗を喜んでいるはず」などと口にすることで、自分は貴方に献身的であり、一方でライバルにマイナスイメージを与えることがあります。
意見を受け入れなかった結果、トップの判断が正しかったならばトップの自己満足だけで終わりますが、失敗したことにより組織内で正しい意見者の求心力が高まることを警戒することにもなりかねません。
大計をもって新事業を展開しながら、トップ交代で方針転換となり、結果が出る前に事業評価され、左遷という出世コースから外されるということが大手企業ではあるようです。
恥や失敗を素直に受け入れることがことができないトップでは正しい言動は逆に疎まられ、やがては左遷や解雇、更迭といっ道半ばにして無念の退席に追いやられてしまうケースがあります。
結果による行く末を分かっていながらも、あえて上司に苦言を呈する気概も時には必要かもしれません。
[参考]
中國哲學書電子化計劃字典

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[正史 三国志]

平成29年(2017年)7月24日からの今日の一言は「正史 三国志」からの一言をもとに自分なりに追記や解釈して掲載しています。
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[人を動かす名言名句集―21世紀に生きる]

平成28年(2016年)9月1日からから平成29年(2017年)6月15日までの今日の一言は「人を動かす名言名句集―21世紀に生きる」からの一言をもとに自分なりに追記や解釈して掲載しています。
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[中国古典一日一言]

平成27年(2015年)5月1日から平成28年(2016年)4月30日までの今日の一言は「中国古典一日一言」守屋洋(著)から、同月同日の一言をもとに自分なりに追記や解釈して掲載しています。

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