中舛竹田家:江戸末の旧家外観復元 デイサービス施設に--名古屋 /愛知
老朽化で取り壊されそうになっていた名古屋市緑区の有松町並み保存地区にある「中舛竹田家」の歴史的な外観が復元され、26日、再生保存に尽力した地元住民や河村たかし市長が出席して完成記念式典が行われた。デイサービス施設として活用される。
市によると、中舛竹田家は、間口約16メートルの木造2階建て。有松絞りの開祖・竹田庄九郎の一族が江戸末期ごろに建てたとされる。
昨年7月、老朽化がひどいため建物の持ち主が取り壊しを決めた。しかし、地元の「有松まちづくりの会」のメンバーが「なんとか残したい」と市に相談。河村市長にも陳情し、地元で基金を集めることを条件に再生保存が決まった。約660万円を目標に設立された「有松まちなみ保存ファンド募金」には現在約560万円が集まっており、外観復元やデイサービス施設の整備費用(約4800万円)に充当される。
まちづくりの会の服部豊会長(81)は「募金集めに苦労したが、毎年のように古い建物がなくなっているので何とか食い止めようと運動を始めた。保存できてよかった」と話していた。河村市長は「山あり谷あり、みなさんの協力でできた。あと1000年残っていくといい」と喜んだ。
中舛竹田家:江戸末の旧家外観復元 デイサービス施設に--名古屋 /愛知 - 毎日jp(毎日新聞)
http://mainichi.jp/area/aichi/news/20101027ddlk23040178000c.html旧東海道の古い町並みが残る名古屋市緑区の有松地区で、江戸末期の建物「中舛(なかます)竹田家」が改築され、26日、完成式典があった。老朽化による取り壊しを工事直前に免れ、高齢者福祉施設として再出発する。町並み保存に取り組む地域住民が声をあげ、行政や民間業者も連携、寄付金を集めた手法は注目を集めそうだ。
「こんなに立派になって本当にうれしい」。保存運動に取り組んだ「有松まちづくりの会」の服部豊会長(81)は、式典で改築された建物を見ながら目を細めた。
竹田家は、有松絞の開祖である竹田庄九郎一族が建てた木造2階建てで、約16メートルある広い間口が特徴。江戸末期の建築とされる。
この建物を取り壊す話が持ち上がったのは昨年7月。
「雨漏りの修理に2千万円かかります」。修理業者からの見積もりに、持ち主の竹田敏彦さん(51)は驚いた。竹田家12代目だが、大阪府吹田市在住で、民間の福祉施設に勤めている。竹田さんは「自分はお金持ちでも無いし、もう取り壊すしか無いと思っていた」と振り返る。解体後、跡地でのマンション建設も合意し、後は取り壊すだけになっていた。
この話を聞きつけた服部さんは、保存の困難な古い建物の情報提供を河村たかし市長が呼びかけていたのを思い出し、直接電話をした。市長から竹田さんに「解体を待ってくれんか」と連絡があったのは取り壊しの2日前だったという。
間一髪で取り壊しは延期されたものの、修復工事費用をどうひねり出すか、保存後に建物を借りる店子をどう探すのか、課題は山積していた。
その後、解体後のマンション建設を請け負っていた建築会社「オーパス」や「トヨタホーム」など民間業者が協議し、解決策を模索。テナントにはデイサービス施設の運営業者が入居する算段がつき、修理費の不足分については市が音頭を取って寄付金を集めることにした。寄付金の目標額は660万円で現在、約560万円が集まっているという。
竹田家の改築費は約4900万円。寄付金のほか、市からの町並み保存関連の補助金が約500万円出るが、残りは銀行からの借り入れなどで、竹田さんが負担する。裏庭には、町屋風の高齢者向け住宅も建てられ、住居一体型の施設として永続的な運営を目指す。竹田さんは「今後を考えるとずっと建物を維持できるか不安はあるが、何とか残していきたい」と語った。
asahi.com(朝日新聞社):解体2日前「待った」 江戸末期の建物、高齢者施設に再生 - 住まいニュース - 住まい
http://www.asahi.com/housing/news/NGY201010270011.html