学びて思わざれば則ち罔(くら)し、思いて学ばざれば則ち殆(あやう)し
―学而不思則罔、思而不学則殆―
- [原文](論語 為政第二)
- 子曰、学而不思則罔、思而不学則殆。
- [書き下し文]
- 子曰く、学びて思わざれば則ち罔(くら)し、思いて学ばざれば則ち殆(あやう)し。
- [原文の語訳]
- 孔子が言う。物事を学ぶだけで自分で考えないとはっきりしない(本当の知識は身につかない)。自分で考えるだけで師から学ばなければ(独断・独善の弊害が生まれ)危険である。
- [解釈]
- 学んだことを自分なりに使えるモノにしないと役に立たないですし、一人で考えこんでるだけでは限界があるでしょう。
- 覚えるだけでの知識ではいざというときに役に立ちません。その意味を理解することで、はじめて臨機応変に活用することができるようになります。→運用の妙は一心に存す
- 「独学」もよいですが、そうするとなかなか別の視点からの思考をすることができない不安点があります。
- 例えば辞書を引くこと。必死に考えてわからないことでも、辞書を引くことで意味を見つけて「なるほど」と思えば良いわけです。
- 読書術でも、同じテーマの本を3冊読む方法が紹介されていますが、1冊ではその著者の考え方しか頭にはいらないですし、読み比べることで著者ごとに違う考え方があることに気がつけば、それは読み比べている中で「考えているから」となり、その違和感を解消できるということは「自分なりに理解できたから」となるわけです。新聞の読み比べも然り。
- 高学歴でも社会に出たらなかなか順応できないとか、多少のスキルを持ち合わせているだけで満足して、それ以上を学ぼうとせずに気がついたら周りから置いていかれているなど、実社会でもありそうな話です。
- [参考]
- 論語『子曰、学而不思則罔(学びて思わざれば則ち罔し)』解説・書き下し文・口語訳 / 漢文 by 春樹 |マナペディア|
[中国古典一日一言]
今日の一言は「中国古典一日一言」守屋洋(著)から、同月同日の一言をもとに自分なりに追記や解釈して掲載しています。
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