「ちょっととぼけたくらいで」喜怒不形於色

喜怒を色に形さず

―喜怒不形於色―

[原文](三国志)
喜怒不形於色
[書き下し文]
喜怒を色に形(あらわ)さず
[原文の語訳]
喜怒哀楽の感情を顔に出さない
[解釈]
組織がピンチの場面でも、トップやリーダーが不安や動揺を表に出さず平生を装っていれば、部下の不安感を和らげ、動揺を抑えることができます。
トップやリーダーは「目立たない」というのがありますが、そういう意味では「寡黙」「謙虚」に加えてこの「喜怒哀楽を表さないこと」も大事な資質になりそうです。
日本でも「感情を表に出すとスキが生まれ、敵に付け入れられるから」という観点から武士道でも推奨されていました。確かに試合やビジネスなどの交渉の場で相手に表情を読み取られることは失点につながりかねません。
一方で、スポーツなどで監督が喜怒哀楽を表さないことが「何を考えているかわからない」と選手たちに余計な憶測や「無言の圧力」としてプレッシャーを与えることもありそうです。その場合はトップと部下とのパイプ役であるコーチ陣が、いかに監督の意図を理解し選手とコミュニケーションを図るかが重要になってくるでしょう。できれば現場から離れた時にはトップやリーダーも多少は喜怒哀楽を表して「この人も人間なんだな」と部下に安心感を与えることも大事なのではないでしょうか。
そうやって考えると、感情をうちに秘めながらも、温和でちょっととぼけたくらいが組織内を和ませていいのかもしれません。
扇動的で勇ましい姿を見せることも大事ですが、ときに不用意な言動が伴ない、不必要にトラブルが肥大化することもあります。それを解決するために余計な時間やコストをかけるほど無駄なことはありません。
むやみやたらに「やけくそですわ」と言ってみたり、議場で喜怒哀楽を頻発するようなトップには困りものです
[参考]
名言ナビ – 喜怒を色に形(あらわ)さず。
宇土・親子論語教室:喜怒を色に形さず(三国志)

[中国古典一日一言]

今日の一言は「中国古典一日一言」守屋洋(著)から、同月同日の一言をもとに自分なりに追記や解釈して掲載しています。

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