「乱心は困窮から」無恒産、因無恒心

恒産なければ因って恒心なし

―無恒産、因無恒心―

[原文](孟子 七編)
無恒産、因無恒心
[書き下し文]
恒産なければ因って恒心なし
[原文の語訳]
一定の生業や財産が無いと、一定不変の道徳心は持たない
[解釈]
安定した生活ができていないと、心にゆとりが持てないということです。生活が困窮するとなりふり構わずなんでもやってしまう危険性があります。
できる人は厳しい生活の中でも芯がしっかりして心が乱れることはないのですが、普通の人ではそう簡単にできることではないのです。
また為政者やトップは部下や民が道徳心を持てるように安心して生活できる環境を提供しなければいけないのです。昔の農民一揆や現代でも職場環境に不満を持った人達によるクーデターにより組織のトップが解任される事例があります。
むやみやたらに敵を作ったり、安定した生活構築に直結しそうもない思いつきの計画を推し進めようとするトップには困りものです。
商売でも収益が厳しくなると安値競争や品数を増やすなど目先の増収だけに目を向け、手を広げすぎて自ら首を絞めることもあります。正しい商売をしているのであれば初心貫徹の気持ちも必要です。
[参考]
孟子『無恒産而有恒心者~』原文・書き下し文・現代語訳 – 勉強応援サイト

[中国古典一日一言]

今日の一言は「中国古典一日一言」守屋洋(著)から、同月同日の一言をもとに自分なりに追記や解釈して掲載しています。

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