吉人の辞は寡く、躁人の辞は多し
―吉人之辞寡、躁人之辞多―
- [原文](易経 繋辞下伝)
- 将叛者其辞慙、中心疑者其辞枝。吉人之辞寡、躁人之辞多。誣善之人其辭游、失其守者其辭屈。
- [書き下し文]
- 叛(そむ)かんとする者は、その辞(じ)慙(は)じ、中心疑う者は、その辞(じ)枝(わか)る。吉人(きつじん)の辞(じ)は寡(すくな)く、躁人(そうじん)の辞は多し。。善を誣(し)うるの人は、その辞游(ゆう)し、その守を失う者は、その辞屈す。
- [原文の語訳]
- いまにもそむこうとしそうな者は、易の辞をはじる。心中を疑う者は、易の辞は分れる。徳ある者は口数少なく、徳のない者は口数が多い。善をいつわる人は、その言葉はゆらゆらと動き、その守りを失う者はその言葉にくじく。
- [解釈]
- 言葉の大切さを説いています。人を裏切ろうとする人は言葉に後ろめたさが表われ、心に疑念を抱いている人者は言葉が迷走します。できる人は口数が少なく、そうでない人に限ってやたらと口数が多いのです。善人を偽る人の言葉はふわふわしていて、それによって守るものも失なってしまうのです。
- 「綸言、汗の如し(発言は取り消せない)」です。言葉はよく考慮した上で慎重に発しなければいけません。無駄口が多くて講釈たれにはならないようにしたいものです。
- 思いつき、唐突に花火を打ち上げるようなトップには困りものです。
- [参考]
- 吉人之辞寡、躁人之辞多。 ( 起業 ) – Satobatake // さとばたけ〈since1749〉 – Yahoo!ブログ
- 吉人の辞は寡く、躁人の辞は多し:原文・書き下し文・意解 | ナオンの言葉の散歩道
[中国古典一日一言]
今日の一言は「中国古典一日一言」守屋洋(著)から、同月同日の一言をもとに自分なりに追記や解釈して掲載しています。
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