「呼び水となることをまずやる」先従隗始

先ず隗より始めよ

―先従隗始―

[原文](戦国策)
今王誠欲致士、先従隗始、隗且見事、況賢於隗者乎。
[書き下し文]
今、王、誠に士を致さんと欲すれば、先ず隗より始めよ、隗すら且つ事(つか)えらる、況や隗より賢なる者をや。
[原文の語訳]
いま燕の昭王が賢臣を集めたいのであれば、まず(凡庸な私、)郭隗を重く用いるべきです、隗でさえ用いられるとなれば、賢臣が次々に集まって来るでしょう。
[解釈]
賢者を求めるのであれば、まずは凡人である自分に高い地位を与えよという意味です。自分程度の人物でも優遇されるのであれば、こぞって人が押し寄せ、その中に含まれている賢者を見つければよいということです。
遠大な事をするには手身近なところから、呼び水なるような小さいことから始めるとよいと。
事を始めるにはまず自分自身がやってみるということです。提案者自ら率先してやることで周囲への説得や同意を促すこともできます。
古本屋やリサイクルショップでも、とりあえず「なんでも買い取ります」とガラクタやとても価値のなさそうな雑誌などを受け付けていると、そのうちにそんな部類のものでも買い取ってもらえると山のように持ち込まれるようになります。その中にプレミアものの宝が埋もれているということがあるのです。
求人でも、いきなり高度な要求を提示しているとなかなか人材は集まってきませんが、敷居を低くすると幅広く人材を求めることができ、その中で特出した技能を持った人材が埋もれていることも考えられます。
勉強でもいきなり難しい問題集や参考書を読むよりも、図解だったりマンガで解説といった分かりやすいところから入っていくと拒絶反応も小さくて済みますよね。
[参考]
隗より始めよ(カイヨリハジメヨ)とは – コトバンク

[中国古典一日一言]

平成27年(2015年)5月1日から平成28年(2016年)4月30日までの今日の一言は「中国古典一日一言」守屋洋(著)から、同月同日の一言をもとに自分なりに追記や解釈して掲載しています。

コメント受付中です どなたでもコメントできますがスパム対策を施しています

タイトルとURLをコピーしました