「進みたいなら状況判断を」既平隴、復望蜀

隴を得て蜀を望む

―既平隴、復望蜀―

[原文](後漢書 岑彭伝)
人苦不知足、既平隴、復望蜀
[書き下し文]
人は足るを知らざるに苦しむ、既に隴を平らげて、復蜀を望む
[原文の語訳]
すでに隴を得たうえに蜀まで望むとは
[解釈]
後漢の光武帝が隴を平定した後、蜀も手に入れようとした自身の欲深さを自嘲したという故事から、人の望みや欲望には、際限がないことをたとえています。
善し悪し両方の意味で取れそうです
良い意味では、苦労をして目標を達成しても、達成感からその苦労をも忘れるか、もしくは苦労をももろともせずさらに高い目標を設定するといった感じでしょうか。
悪い意味では、満足を得ようとすると際限がなくなるという「足るを知る」ことが大事という訓戒になります。腹八分目。
周りが制止するのも聴かずに、自らの欲望や自己満足のためだけに推し進めようとするトップには困りものです。
逆に、周りにのせられて無理に進んでしまわないように注意する必要もあります。
次へ進む決断をする際、周りの状況をしっかり把握することが大事です。体力があるのか、周りもそれを望んでいるのか、今がその時なのか、現段階でそれなりに達成されていないか、など判断基準は多くあるはずです。
[参考]
隴を得て蜀を望む – 故事ことわざ辞典

[中国古典一日一言]

平成27年(2015年)5月1日から平成28年(2016年)4月30日までの今日の一言は「中国古典一日一言」守屋洋(著)から、同月同日の一言をもとに自分なりに追記や解釈して掲載しています。

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