「余裕を残しておく」少則得

少なければ則ち得

―少則得―

[原文](老子 第二十二章)
少則得、多則惑。
[書き下し文]
少なければ則ち得、多ければ則ち惑う。
[原文の語訳]
少ししか持ってない人は素直に得ることができ、たくさん持ってる人は得ることがあっても逆に悩む。
[解釈]
余裕があれば得られるが、手一杯であれば取捨に迷ってしまうということです。
手荷物や心の余裕、満腹感など、何にでも置き換えられますね。八分目であれば残る二分の余裕で受け入れることができます。
あちこち目移りしてしまうと「二兎追うものは一兎をも得ず」となってしまう可能性もあります。
選択肢も多くなればどんどん迷いが増えていきます。商品や料理でもラインナップが多ければどれにしようか悩んでしまいますね。
俳句など五七五のわずか17文字の中から読者がさまざま創造をイメージします。ところが文字数が多くなって説明が加わると、それが思考の中で制約となり、結果的に創造の幅も狭まってしまいます。
頂き物があったとき、冷蔵庫を空けてスペースが空いていればすぐしまえますが、満パンに入っていると、パズルのように悩みながら入れ直したり、ひょっとするとどれかを出して無理やり消費しなくてはいけなくなるかもしれません。
絶好の機会を得られるのに、スケジュールが入りすぎていて都合がつけられないともったいないですよね。
気持ちに余裕があれば見えることも、一杯一杯になってしまうと混乱から視野も狭くなり、段取りを誤ったり失敗したりしてしまい、結局無駄を出してしまいます。常に余裕を残しておきたいものです。
ノートや手帳でもスペースを空けておくことで、浮かんだことや思いついたことや追記ができます。この空きスペースの活用は勉強法にも採用されています。
[参考]
少なければ則ち得、多ければ則ち惑うの意味|ことわざデータバンク【一覧】

[中国古典一日一言]

平成27年(2015年)5月1日から平成28年(2016年)4月30日までの今日の一言は「中国古典一日一言」守屋洋(著)から、同月同日の一言をもとに自分なりに追記や解釈して掲載しています。

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