「強行軍は失敗のもと」百里而爭利、則擒三將軍

百里にして利を争えば、則ち三将軍を擒にせらる

―百里而爭利、則擒三將軍―

[原文](孫子 軍争篇)
百里而爭利、則擒三將軍
[書き下し文]
百里にして利を争えば、則ち三将軍を擒(とりこ)にせらる
[原文の語訳]
百里先にある有利な地点を抑えようと先を急ぐと、上軍・中軍・下軍の三軍の将軍が捕虜にされてしまうだろう
[解釈]
あまり先を急ぎ過ぎると失敗してしまうということです。強行軍のイメージです。
1日30里が標準のところ急ぎ100里を目指せば、後方は追いつけず列は縦長となり、疲労も蓄積、そこで戦いとなっても勝てる訳がないのは明らかです。
「拙速(せっそく)は巧遅(こうち)に勝る」といいますが、フォローが間に合わない状況ではいけません。強行軍は拙速とは違うのです。
急ぐにしても人材、食料、資材といった必要不可欠なものは最低限保持している状態にしておかなければいけません。
売上を伸ばすために調理時間を短くして回転率を上げようとしたところ、加熱不足で食中毒を発生させてしまっては元も子もありませんね。
向上のラインでも、何も効率化の改善なくして生産量を増加させようとすれば負担が大きくなるだけです。
勉強でも一気に進めようとすると無理が生じます。遅れを取り戻そうと急いでもなかなか頭に入ってこないものです。
[参考]
『孫子 第七 軍争篇』の現代語訳:1

[中国古典一日一言]

平成27年(2015年)5月1日から平成28年(2016年)4月30日までの今日の一言は「中国古典一日一言」守屋洋(著)から、同月同日の一言をもとに自分なりに追記や解釈して掲載しています。

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