「時間がかかったものでもすぐ壊れる」美成在久、悪成不及改

美の成るは久しきに在り。悪の成るは改むるに及ばず

―美成在久、悪成不及改―

[原文](荘子 内篇 人間世 第四)
美成在久、悪成不及改
[書き下し文]
美の成るは久しきに在り、悪の成るは改むるに及ばず
[原文の語訳]
美しくなるには時間がかかり、悪くなるのは改める余裕もない
[解釈]
良い結果がでるには長く時間を要しますが、悪いことは改める余裕もないうちに直ぐやってくるということです。
良好な関係を築くのには時間がかかりますが、関係が悪化するのたちまち起きるということです。
長い時間をかけて築いた信用や信頼であっても、一瞬で崩れ、築き直すにはまた長い時間がかかります。
仲の良い友人であったのに、不意に出た一言が原因で関係がおかしくなってしまうこともありますね。
物事を覚えるのに時間がかかりますが、忘れるのはすぐです。
水を清らかにするには手間と時間がかかりますが、簡単に濁ったり波が起きたりしますし、同様に時間をかけて磨いたものでも、曇ったり傷がつくのは容易いのです。
職人やスポーツ選手も一流になるのに修行や練習に時間をかけて成しますが、気を抜くと腕はすぐに鈍ってしまいます。
[参考]
美の成るは久しきに在り、悪の成るは改むるに及ばず
美の成るは久しきに在り、悪の成るは改むるに及ばず – ことわざのコトパワ

[中国古典一日一言]

平成27年(2015年)5月1日から平成28年(2016年)4月30日までの今日の一言は「中国古典一日一言」守屋洋(著)から、同月同日の一言をもとに自分なりに追記や解釈して掲載しています。

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