「物事には順序がある」見卵而求時夜

卵を見て時夜を求む

―見卵而求時夜―

[原文](荘子 斉物論)
見卵而求時夜
[書き下し文]
卵を見て時夜(じや)を求む
[原文の語訳]
卵を見て鶏を待ち望む
[解釈]
時夜は鶏を意味することから、卵の段階から、すでに鶏に成長した時の事を待ち望む、順序を考えずに結果を早急に求めるということです。
宝くじを買って「当たったら何買おうかな、何しようかな」と思い浮かべるといった感じです。宝くじのように「夢を買う」ならそれでも良いかもしれません。
勉強でもノートをまとめたことで「学習した」「頭に入った」と勘違いしてしまいがちですよね。
新しいスポーツシューズを手に入れただけで足が速くなったと思ってしまうとか。
事後処理の算段もそこそこに打ち上げのことを考えてしまっていませんか。
始まる前から終わった後の楽しみを思い浮かべて、励みにすることもよいですが、そのことばかりを考えて目の前のことが手につかなくなっては本末転倒です。
事業の拡大を望むのであれば、組織をきちんと編成しなくてはいけませんし、周囲の環境も整えなくてはいけません。
事を成すには立案や展望、根回しなど着手する前にも準備することは山ほどあります。経験不足はそこを飛び越えてしてしまいがちです。
行く末ばかり壮大にイメージして、基礎固めも充分にできないようなトップでは困りものです。
新商品を開発し「これは売れる」と確信し、行列ができるのをイメージしても、それを初めにきちんと宣伝しないことには売れるものも売れません。
[参考]
卵を見て時夜を求む(タマゴヲミテジヤヲモトム)とは – コトバンク

[人を動かす名言名句集―21世紀に生きる]

平成28年(2016年)9月1日からの今日の一言は「人を動かす名言名句集―21世紀に生きる」からの一言をもとに自分なりに追記や解釈して掲載しています。

[中国古典一日一言]

平成27年(2015年)5月1日から平成28年(2016年)4月30日までの今日の一言は「中国古典一日一言」守屋洋(著)から、同月同日の一言をもとに自分なりに追記や解釈して掲載しています。

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